カテゴリ:映画・海外ドラマ あ行( 29 )

 

アメリカン・ギャングスター American Gangster

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「この映画、きっとMyums好みだよ」というBooのおすすめで、『アメリカン・ギャングスター』を観ました。

70年代初頭のハーレムでギャングのお抱え運転手として働いてたフランクが、ボス亡き後にハーレムを仕切る麻薬王にのし上がっていくという、事実に基づくお話です。

黒人ギャングものと聞いて、Fuckin'が飛び交うドンパチをイメージしてたんですが、箱を開いてみたら緻密な麻薬ビジネスもの。なんと言ってもフランクその人のキャラクターが最高に魅力的でした。

フランクは一匹狼の黒人ギャングでありながら、自分の男兄弟を仲間に引き入れ、イタリアンマフィアのように家族でギャングビジネスを展開。

麻薬の原料を仲介ではなく自ら東南アジアへ乗り込んで直接交渉し、なんと軍用機に載せて調達。仲介料を省くことで他のギャングやマフィアより安価に設定するのです。
その上、他社が少しでも量をかせごうと化学物質を混入させているところ、フランクのヘロインはピュアで質もバッチリ!


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そうして独自の販売方法で一気にハーレムの麻薬王へとのしあがったフランクですが、決して派手に豪遊したり名を売ったりせず、身分を隠し、目立つことを嫌います。
周囲のマフィアも、まさか一介の黒人がイタリアンマフィアのようなビジネスを築きあげているとは思いもせず。
フランクは自分の肌の色とそれによる人々の先入観を隠れ蓑に、静かにハーレムの麻薬王に君臨します。

それは警察や周囲のマフィアからのマークを避けるための戦略の1つであったのですが、それとは別に、権力やお金を武器に力を誇示することをUncoolとするフランクの人生観もあったと思います。

自宅のホームパーティーでいい気になって大騒ぎしてる兄弟の一人に、フランクは言います。
「この部屋の中で一番弱いやつが誰だか分かるか?それは一番騒いでるやつだ。お前のことだよ」

私もそう思うよ、フランク!

弱い犬ほどよく吼えるとはよく言ったもんで、お金を権力を嵩に騒ぎ立ててる人って、みっともない。自分が本当は弱いってことを露呈しちゃってるようにしか見えないです。


ビジネスの展開の仕方にしても、彼の持つ人生観にしても、フランクはWiseな人だったんだな~って思います。



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最近パッとしなかったデンゼル・ワシントンにとっても、フランクはかなりの当たり役でした。フランクを追う警官役のラッセル・クロウも良かったです。女癖が悪いけど正義感の強い男の役って、プライベートでもやんちゃなラッセルそのものって感じ。

サイトで予告編を見たら、ラッセルとデンゼル、2人のアカデミー受賞俳優激突!みたくなってましたが、ラッセル演じるリッチーの描写は中途半端なので、ラッセルのことはあくまで脇役として見たほうがいいと思います。
「主役級俳優ラッセル・クロウの脇役姿」って方がキャッチーだしね!

フランクに敵対するギャング役のキューバ・グッティングJr.は、久々に見ました。『僕はラジオ』以来。年取ったな~。この人は、私の中で、ギャングじゃなくて、ピュアなヒューマン系な役のイメージです。


期待以上に骨太で重厚だったし、ソフト帽にサスペンダーといった70年代の黒人ファッションもカッコよくて、おもしろかったです!
おすすめしてくれたBooちゃんに感謝。さすが、私のテイスト分かってるね~。
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by myums | 2007-12-29 15:26 | 映画・海外ドラマ あ行  

ウェイトレス おいしい人生のつくりかた waitress

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『ウェイトレス おいしい人生のつくりかた』を見ました。
まったく期待しないで見たんだけど、これが結構良かったです。


アメリカ南部でウェイトレスとして働くジェンナ。旦那のアールは嫉妬深くて、ジェーンが自分の思い通りにならないと泣いたり殴ったりする、どうしようもないダメ男。
私、こういう男はすごく嫌いです。

ジェーンも旦那のこと大嫌いで、どうにかして彼から逃げ出し新しい人生をスタートさせようと、こつこつお金をためています。

そんなある日、ジェーンの妊娠が発覚。


がーーーんΣ(|||▽||| )


ヤツの子供なんて欲しくないのに。
子供なんてお金はかかるし、わがままだし、時間はとられるし、私のやりたいこともできなくなっちゃう!


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そう思うならおろせばいいのに、ジェーンはなぜか産む決意をするのです。でも、それは子供を愛しているからじゃなくて、ただ、妊娠したから産むだけ。

その辺の理屈がよく分かりませんが、とにかく彼女は産むことにしました。
ウェイトレスを続けながら病院に通って、そこの先生と不倫になって、お金を隠し貯めしてることが旦那にバレて激怒されたりしながら、物語は進んでいきます。

ジェーンは自らにも、他人にも問いかけます。

「ねえ、あなたは幸せ?」


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ストーリーは、よくある女性の幸せ探し映画ですが、その一言で片付けちゃうには、あまりに惜しい映画です。

その理由は、ジェーンのパイ。
彼女はパイ作りの名人。勤めるレストランでも毎日新作のパイを作ってます。作品中にパイ作りのシーンがちりばめられて、それが映画を温かく柔らかいものに仕上げてます。このパイってのが、ピンクとか水色とかチョコレート色とか黄色とかで、とってもカラフル。

繊細なお菓子が好きな日本人の感覚からすると、大味そうでまったくおいしそうには見えないんですけど、パステルカラーってやっぱりかわいいっ。
見ていてウキウキしちゃいます。

(ここからちょっとネタばれ)
それからもう1つの理由。それはエンディング。
ジェシーが、初めて自分の子供を自分の腕に抱いた瞬間。
母親になるということを本能で知った瞬間。

子供を持つという感情がどういうものなのか、私にはまだわかりません。だけど、この映画のようであって欲しい。私みたいにワガママでも、子供のために強くなれる、それが本能というものであって欲しい。

そんな私の希望もあって、このシーンにすごーく感動しちゃいました。


残念だったのは、キャストの演技が空々しいところかな。
テレビ俳優さんが多かったので、映画を見てるよりテレビを見てる感もぬぐいきれず。


母は強し!
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by myums | 2007-12-11 23:47 | 映画・海外ドラマ あ行  

運命を分けたザイル Touching the Void

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登山系の映画って、登山中に事故、困難を乗り越えて登頂→終了 ってパターンが多いですよね。私いつも不思議だったんです。

「下山シーンがないのはなぜ?」

登ったら必ず降りるって行為が待ってて、実は降りる時の方が怖かったりしません?下が丸見えで。登山だって、下山時の方が事故率高いと思うんだけどなぁ。

という私の予想通り、登山で起こる事故の80%が下山時なんですって。

そんな新しい知識を私に教えてくれた映画が、『運命を分けたザイル』でした。サイモンとジョーという20代の若き登山家2人が実際に体験したドキュメンタリー映画です。

2人は前人未到の超難関ルートで登頂するのですが、下山時にジョーが足を骨折し、2人一緒では下山することは出来ないと決断したサイモンがジョーと自分をつなぐロープを切ってしまいます。

あわれ、ジョーは深い深いクレバスの底へと落ちていくのでした。


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ジョーは奇跡的に命を落とさなかったものの、目を覚ますとそこは真っ暗な奈落の底。足には激痛に走り、喉は乾ききって、脱水症状を起こしていました。

そこからジョーの生還劇が始まります。

骨折した足でクレバスを昇ることは不可能だと悟ったジョーは、クレバスを降りることにします。降りてる間ももちろん足は激痛なんですが、それを耐えながらジョーは、なんとか地上へ脱出します。なだらかな雪の表面にくっきりと浮かび上がるのは、サイモンの足跡。これをトラックキングすれば自分も下山することができる!

と期待したのもつかの間、吹雪がやってきてあっちゅう間に、足跡はかき消され、後に残ったのは太陽に反射してキラキラと輝く銀白の世界。


骨折と脱水症状でボロボロになった体をひきずり、不屈の精神力と生命力で下山を続けるジョー。やがて雪山はごつごつとした岩山へと変わります。柔らかな雪と違い体をひきずることができない岩の斜面を、立ち上がっては転び立ち上がっては転びしながら、何時間もかけてやっとたどり着いた湧き水。

我を忘れて湧き水(っていうか泥水)をすするジョー。乾ききった喉と体に染み渡る水分。
「あぁ、俺はまだ生きている」


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この数日間、常に死と隣り合わせにいたジョー。
生きたいというより死にたくないという本能だけを頼りに、無我夢中でここまできて、やっと生の歓びを再び取り戻したこの瞬間、彼の精神は何かを超越するのです。

故郷イギリスで聞いた好きでもなんでもなかった曲が頭をグルグル駆け巡り、自分が何者なのか何を目的にここまで来たのか、誰を愛して、どこから来たのか、何も感じず、自分の存在すら分からない。

無の境地。

生と死の狭間で人間が感じるもの。
それは「無」である。

生還した彼はそう語ります。


その描写こそ、この映画の見所です。
錯乱したジョーの表情に、光を多用した精神系の画像が入り込み、見てるこちらまで気がおかしくなりそうな緊張感が伝わります。
半端ない雪山の恐ろしさをリアルに描いた圧倒的な映像からも一時も目が離せませんが、何よりも、この無の境地の描き方こそ、素晴らしい。


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生半可な遭難物映画には到底及ばない、人間の真理に触れた映画です。
「死と向き合う」とはどういうことか、そんな思ってもよらなかった展開にのめり込んで見ました。この映画は本当にオススメ。

原題の『Touching the Void』は、直訳すると、「空虚に触れる」みたいな感じですが、私は「無の境地」と訳したいです。
死ぬってことは、無への到達なのかもしれないな~。
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by myums | 2007-12-04 23:47 | 映画・海外ドラマ あ行  

イカとクジラ The squid and the whale

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『イカとクジラ』を観ました。
両親の離婚をきっかけにバラバラになっていく家族を描いた、ブラックユーモアな映画です。

舞台は80年代のブルックリン。
過去の栄光にすがる落ち目作家のお父さんと、新人作家として注目株のお母さん。このお父さんが、とても子供な大人。プライドだけはヒマラヤ級で、負けるのが大嫌い。相手が子供であろうと誰であろうと手加減しないし、一旦怒り始めると手がつけられません。子供の前で、Fuck!言いまくり。
この人、Anger Management が必要なんじゃないだろか。

一方、お母さんも男にだらしない人で、息子のテニスコーチと恋愛関係になったりします。まあ、あんな夫なら、逃げ出したくなる気持ちも分かりますけど。


そんなどうしようもない両親に振り回されるはめになるのが、16歳の長男ウォルト君と12歳の次男フランク君。両親の離婚によって、お父さんとお母さんの間を週に3回ずつ行ったり来たりさせらる生活を余儀なくさせられます。何曜日にどっちの家に泊まるかも、完全に大人の都合で、有無を言わせず決まっちゃうのです。

次男のフランク君がママに会いたくて、パパの日なのにこっそりママ宅(元々自分が住んでた家ですけど)に忍び込みシーンがあるんですけど、それを発見したママは喜ぶどころか、「今夜はパパの日なんだから、だめよ」と明らかに迷惑そう。

すると、そこに2階からフランク君のテニスコーチが乱れた姿で降りてきて、フランク君は、そういうことかと悟るのです。


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長男のウォルト君はと言うと、浮気ばかり繰り返してるママに反発していて、インテリなパパサイドについています。彼は父親と元々が似てるのか、それとも父親を尊敬してるからなのか、他人を上から目線で見下してるところがあります。
周囲から賞賛を浴びるためならズルすることも厭わない。


図書館の本棚や女子生徒のロッカーに自分の精子を塗りつけたり飲酒するようになるフランク君と、ピンクフロイドの歌を自作曲として全校生徒の前で披露してみせるウォルト君。


正直言って、この映画客観的に見ることができませんでした。ウチもこんな感じの家庭だったし、両親が離婚したのも私と妹がちょうど思春期の頃だったから、モロにオーバーラップしちゃって。私も妹も、映画みたいにこんなにあからさまに壊れたりはしなかったけど、やっぱり鬱屈してました。

「こんな家庭に生まれついた私は、最初から運がないから仕方ない」
「親だって所詮人間。勝手にすれば」。
「こんなことよくあること。どうってことない。人生なんてこんなもん」

これが私が小学生の時の人生観。
早くも人生に見切りつけちゃってるなんて、自分ながらにかわいそうな子供です。大人のこと「けっ」って思ってたらから、可愛げもなかったと思います。


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『イカとクジラ』のラストでウォルト君が、「親も所詮は人間なんだ」って悟るわけなんだけど、それって徐々に段階を踏んで、自分も年齢を重ねて、自然にそう思えるようになるのと、状況的にそう思わざるを得ないのとでは、心理的プレッシャーが全然違うと思うんです。

なんだかんだ言って、やっぱり子供は親には親でいてもらいたいし、親からの愛情を当たり前のように感じていたいんです。それって人間の本能だと思います。
それが与えてもらえないと、欠けた部分を埋めようとして奇異な行動をとったり、もしくは向き合うのが怖くて投げやりな態度になったりするわけです。

家庭環境によってその人の一生が左右されるとは思いませんし、それは子供が元々持ってる素質にもよると思います。だけど、人格形成に与える影響は大きいです。そして、それはその子の人生に一生ついて回ります。
親になる人にはちゃんとそこんとこ考えて欲しいです。
自分のことが一番大事な間は、子供作っちゃダメ。


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こういう映画を見るとつい自分の過去とかぶっちゃうんですが、映画としてはなかなかイイ作品でした。特にフランク君役のオーウェイン・クラインが光ってた!フランク君が吐くきったない言葉がウケル!


監督のノア・バームバックの両親も彼が思春期の頃に離婚していて、その経験を踏まえてこの映画を製作したそうです。一つ一つのエピソードにリアルな感情が込められているのは、そういうわけだったんですね~。
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by myums | 2007-07-08 17:22 | 映画・海外ドラマ あ行  

『アドレナリン』見たいな

シネマトゥデイで紹介してた変な映画、『アドレナリン』

毒を盛られて、アドレナリンを出し続けないと即死亡という運命に立たされた主人公が、必死にアドレナリンを出し続けるというアクションムービー。ドラッグきめたり無意味にケンカ売ったり、町のど真ん中でSEXしたり、という相当バカな設定らしいです。

こういう映画は大爆笑の大当たりか、さむーい大外れかのどっちかですよねー。やりすぎず、かつ抑えすぎずの微妙なバランスが問われちゃう。

バカもいきすぎちゃうと笑えませんから。

主演は、『トランスポーター』の主役の人なのかな?『トランスポーター』は見てないからわからないけど、とりあえず『アドレナリン』は見てみます!

『トランスポーター』見た人いたら、感想教えてください。
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by myums | 2007-06-14 00:45 | 映画・海外ドラマ あ行  

アモーレス・ペロス Amores Perros

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『21g』『バベル』の監督さんの処女作(かな?)、『アモーレス・ペロス』を見ました。
が、血だらけの犬を乗せてカーチェイスする冒頭シーンを見て、すぐ思い出しました。
見たことあるじゃん、この映画。(-_-;)
ところどころ内容も覚えてたんですが、それでもかなり楽しめました!



見たことも忘れるくらい印象の薄い映画なのかというと、そんなことはまったくないんです。
運命のやるせなさとか、心をえぐるような切なさとか、生臭さが漂ってくるリアルな映像とか、そういった五感に訴えてくる衝撃を持った映画です。だから、そういう場面はちゃんと覚えてました。



じゃあ、なぜ見たことを覚えてなかったのかと言うと、無駄な場面が多すぎる。
もっとタイトにまとめてくれたら、すっごく良かった。
『21g』で見せ付けてくれた構成力は、この映画でも光ってます。ウマイです。



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この作品は1つの事故を起点として3つの悲劇を語る、オムニバス形式になってます。とは言え3つの物語は、すれ違うことはあれど交わることはありません。

3つの物語の中で私が一番切なさを感じたのは、浮浪者を装ったヒットマンになってしまったおじさんのお話。自分を死んだものとして生きていくのは、誰かに殺されるよりも苦しいかもしれない。

そして、相変わらずかわいいガエルくんのエピソード。
結局何も分かってないのは、ガエルくんでした。
自分を一番愛しているガエルくんには一生見えない答えでしょう。


美脚が自慢だったのに車椅子生活になってしまったモデルさん。狂気と正気の狭間で人生のはかなさに涙します。同じ女性としてチャームを失うつらさは胸に来ました。


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どの物語にも共通しているテーマは、
You never know where life will takes you.
運命に裏切られた主人公たちの悲劇。
そしてそこにエンディングはありません。


『バベル』も似た感じの作りだったし、こういうのが好きな監督さんなんですね。
個人的には『バベル』とは比べ物にならないくらい、こっちの方が良かったです。心に直に訴えかけてくるパワーがありました。荒削りだけど、そこが魅力。
でも、『21g』にはかなわないな~。
あの映画にはやられたもん。


それにしてもスパニッシュを聞きながら英語字幕を読むのは難しい!
役名がぜんぜん覚えられなかったよ・・・。。゚(ノω・、)゚
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by myums | 2007-03-27 23:05 | 映画・海外ドラマ あ行  

硫黄島からの手紙 Letters from Iwo Jima

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やっと見ましたよ、『硫黄島からの手紙』
あんまり言うことないですね。
日本人にもアメリカ人にもそれぞれ家族がいて、感情のある一個の人間なんだ。っていうことは当たり前で分かりきってることなので、今更イーストウッドに言ってもらう必要もなかったです。


あと、中村獅童が洞窟で日本刀を振りますシーンが、歌舞伎すぎ。
あれは、『俺は歌舞伎役者だぞ~』っこと?それともイーストウッドのアイディアなの?
見てて恥ずかしかったよ。


日本の武士道とか大和魂とかってものを美徳としたり、切なさを覚えたりする機能を持ち合わせていない私には強く衝撃を与える映画ではありませんでした。あの時代の日本がそういう思想だったのだから、映画がそうなってしまうのも仕方ないんですが、なんとなくイーストウッドのマスターベーションを感じてしまって。



でも、二宮くんの役は良かったです。私があの時代に生きていたら、きっと二宮君のように国家の勝利より個人の幸せを貫くために必死になってたと思うので。映画序盤で彼が言ってた「こんな島、アメリカ人にくれてやれ!」ってセリフと、セピア色の映像は好きでした。


なかなか難しいことですが、「負け」を認めることが、時には「勝利」に繋がるんですよね。
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by myums | 2007-03-24 13:26 | 映画・海外ドラマ あ行  

アドルフの画集 MAX

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ジョン・キューザック主演の『アドルフの画集』です。


舞台は、第一次世界大戦後のドイツ、ミュンヘン。戦争の傷跡が色濃く残る荒れた町並みと、貧乏にあえぐ国民。
そんな中、裕福なユダヤ人家庭に育ったマックスは、戦争で右腕を失うものの、帰還後は画廊を開いて成功を収めています。そればかりか、美しく上品な妻と愛らしい子供がいる上、若い愛人までいたりして、人生を謳歌しています。

そんな、あるある尽くしのマックスは、ある日スケッチブックを抱えた1人の男と出会いました。小柄なその男の名は、


アドルフ・ヒトラー。


えええっ!!(゚ロ゚屮)屮
ヒトラーってヒトラーよね?!
これってヒトラーの映画だったのか!



と思わせておきながら、実のところ映画の主人公は、ジョン・キューザック演じるところの画商マックスです。マックスは金銭的苦労を知りませんが、人生を楽しむための哲学と芸術的センスを持った人です。いつも飄々としていて好き勝手やってるのに、憎めない男。
ジョン・キューザックにピッタリの役ですね。


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さて、ヒトラーの絵を見たマックスは「表面的で感じるものがない」と言いつつも、ヒトラーに潜在的な才能があるとみて「もっと自分と向き合って、感情をキャンバスにぶつけるんだ」と、アドバイスします。


思うに、ヒトラーはすごいナルシスト。「俺って実はスゴイ」って自分を過大評価してるんです。だけど、一方で、何も持っていない自分のことも分かっている。高慢と卑屈を常に行ったり来たりしてる感じがしました。

こういう人って素直に感情をキャンバスにぶつけられないんじゃないかな。かっこつけようとする余り、変なプライドが絵から滲み出ちゃうの。
果たしてヒトラーの絵は売れません。ヒトラーの生活はただでさえ貧乏なのに、ますます貧窮してきます。そんなとき、「生活を助けるから、反ユダヤ思想の演説をしてみないか」と軍から頼まれるのです。


おお!!きたきた!!
人心を惑わすことになる、ヒトラーのあの演説です。


しかし、演説シーンはいただけませんでした・・・。(-公-、)シクシク
ただ吼えてるだけなんだもん。あれじゃ扇動されないよぉ。
っていうかひく。
あ~あ、期待してた部分だったのになぁ。


ヒトラーはもともとは反ユダヤ思想など持っていなくて、生活のために演説してたんですね。彼の目指すところは、「政治とアートの融合」を造ることで、思想はそのための策。ところが、自分が説いた反ユダヤ思想に人々が賛同し始めたのです。自分の中のカリスマ性に気づいたヒトラーのナルシスト根性は、もう止まらない。このまま反ユダヤ思想を推し進めるしかありません。


というところまでは映画では描かれていないんですが、そうやって演説を繰り返すうちに、ヒトラー自身が自己暗示にかかってしまった部分があるんじゃないかなと。策士、策に溺れる。私の想像ですけどね。

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ヒトラーの話ばかりになってしまいましたが、映画としては惜しい!!って感じです。
愛されキャラなマックスを描くことによって、ヒトラーの哀れで愚かな姿を際立たせる作りは良かったし、ウェアハウスを画廊にするセンスやモダンアートも楽しかった。でも、やっぱりアドルフ・ヒトラーの役の人は力不足でした。演説がねぇ・・・。
それさえ見逃せば、叙情的でロマン溢れる映画です。終わり方も好き。ほんとに、演説シーンさえ良ければねぇ・・・。


ちなみに、マックスは架空の人物です。

「アドルフの画集」の映画詳細はこちら >>
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by myums | 2007-01-17 01:54 | 映画・海外ドラマ あ行  

エイプリルの七面鳥 Picese of April

年末に家族で『エイプリルの七面鳥』を見ました。

ターキーといえば、サンクスギビング。
クリスマスにもターキー食べますけど、ターキーと言われたらまずサンクスギビングを連想するってくらい、切っても切り離せないものです。そしてもう1つ、サンクスギビングに欠かせないのが、家族。ターキー以上に大切です。方々に散らばっている家族も、この日ばかりは1つ屋根の下に集まり、みんなでターキーを囲むのです。


そんなサンクスギビングにまつわる家族とターキーのお話。

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主人公のエイプリルは自由奔放すぎて家族と折り合いが悪いまま、何年も疎遠になってます。でもママが末期癌で余命いくばくもないということを知って、サンクスギビングに家族を招待するのですが、お料理なんてしことないエイプリル。
包丁は振り上げるし、スタッフィングのセロリは丸ごと入れちゃうし、そのドタバタっぷりは料理っていうか戦い。

やっとこさ下準備ができたと思ったら、今度は肝心のオーブンが壊れてる!これじゃ、ターキー焼けないよぉ。

ターキーってオーブンで8時間とか焼くんですよ(私は作ったことないけど)。とにかく時間かかるので、早く焼き始めないとディナーに間に合わない。このときのエイプリルも大慌てで、アパートメントを上から下まで駆け回って住民たちに助けを求めます。

そして、優しくて頼りになる黒人夫婦に料理を手伝ってもらいながら、最新のオーブンをゲットしたというキモ男にオーブンを借りて、エイプリルの格闘はまだまだ続きます。

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このキモ男。ショーン・ヘイズというコメディ俳優さんです。有名なところでは、『ウィル&グレース』というシットコムや、『ハッとしてキャット』なんかに出演してるんですが、お高く止まった嫌味な役が超似合う人。今回もエイプリルの態度にヘソ曲げて、七面鳥を人質に取ったまま散歩に出ちゃうという意地悪ぶり。



その頃、エイプリルの家族は彼女のアパートを目指してドライブ中。
祖母、父、母、弟、妹の4人の中でも、特に母親はエイプリルとは犬猿の仲で、「あの子のせいで大変な思いをした」「料理だってきっと食べれたもんじゃない」とかなんとか終始文句タラタラ。

できれば会いたくない。これ以上嫌な思い出を作りたくない。


ママ役のパトリシア・クラークソンは、以前に紹介したイチオシ海外ドラマ『シックス・フィート・アンダー』でもそうだったけど、擦れた感じがとっても上手。年齢不詳でつかみ所がない割りに、不思議な存在感に溢れた人。

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でもこのママが言うほど、エイプリルが問題児のようには見えないんだよね。素直で一生懸命で、家族のこと愛してる普通の女の子。
学校辞めたりドラッグやったりっていうのが、ママにとっては許せなかったのかもしれないけど、そのくらいで娘と断絶しちゃうなんて、実はエイプリルよりママのほうが愛に不器用なんじゃないかなぁ。
それが分かってるから、エイプリルはママの心の氷を溶かしたいって思ってる。家族への愛を分かって欲しいと思ってる。
エイプリルがターキーと格闘する姿は、はちゃめちゃで可愛くって、ププって笑っちゃうんだけど、そこに家族への愛があるのが分かるから、心がジーンとあったかくなるんだよね。


NYのオンボロアパートもとってもポップだし、1つ1つのエピソードがキュートで、とっても楽しい映画です。最後は一緒に見てた妹とぼろぼろ涙こぼして感動しちゃいました。

エイプリルを演じるケイティ・ホームズは、女優業よりトム・クルーズの奥さんとして有名だけど、彼女の出演する映画はなかなか小粒揃いです。


「エイプリルの七面鳥」の映画詳細はこちら >>
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by myums | 2007-01-15 15:40 | 映画・海外ドラマ あ行  

The Illusionist イリュージョニスト

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エドワード・ノートン主演の『イリュージョニスト』

時は20世紀初頭のオーストリア。身分違いの恋に引き裂かれた少年と少女がおりました。
貧しかった少年エイゼンハイムは立派なイリュージョニスト(幻術師)として成長し、あの時恋を誓った少女ソフィーと再会。2人は再び恋の炎を燃え上がらせるのですが、ソフィーにはすでに婚約者がいたのです。しかも相手は皇太子!

そんでもって、あーだこーだとしてるうちにソフィーが何者かによって殺害されてしまいます。そしてソフィーを失ったエイゼンは、舞台で幽霊を呼び出すという幻術を始めるのですが…。ソフィーを殺害したのは誰なのか、エイゼンの真の目的とは…?



なんて書くと、すごい複雑怪奇なサスペンスの雰囲気ですが、結末は途中で見えます。チラリズムどころか、はっきり言ってスケスケです。でも、おもしろかった!なんていうか、答えそのものよりも、答えにたどり着くまでの過程が楽しい。奇術でも種明かしが一番わくわくするもんね。

またその明かし方が良かったな~。
アルバムから写真を一枚一枚取り出してつなげて見たら、あら不思議!みたいな。言葉を尽くして説明くさくするより断然スッキリ。


シンデレラマンとかサイドウェイに出てたポール・ジアマッティもいつも通り良かったし。彼はヲタクな役も頭の切れる役もうまくこなすね。味がある俳優さん。

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何より、エドワード・ノートン!
やっぱいいねー。
のらくらしてるように見せかけて何でも見透かしてるみたいな雰囲気。
最後の方で見せる不気味な表情なんか、「これぞエドワード・ノートン!」って感じで最高!

でもやっぱり『真実の行方』や『アメリカンリストリーX』の彼は超えられない。あれ以上のものを見せてくれって言うほうがムリなのかしら。あれと同等くらいでもイイんだけどな。
でも、良く考えてみると、ノートンの出てる映画って脚本にアラが多いよね。映画そのものよりも良い役者がそろってる映画に出演してるイメージがあるな。
ま、おいしいところは全部ノートンが持ってちゃうんですけどね。


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私の好きな「古いヨーロッパの雰囲気+ノートン」なので、それだけで点が甘くなっちゃうんですけど。勘ぐったりしないで素直で気持ちで見たら、かなり楽しめる映画です!


日本公開はいつかな?公開日が分かったらまたお知らせします。


そう言えば、以前にコメントでもらった情報なんですが、エドワード・ノートンって昔大阪に住んでたことがあって、日本語も少し話せるんですって。ノートンの大阪弁!聞いてみたい。
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by myums | 2007-01-09 22:00 | 映画・海外ドラマ あ行