あるスキャンダルの覚え書き Notes on a Scandal

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同姓のストーカーもの、『あるスキャンダルの覚え書き』を観ました。

今回も英国の市原悦子、ジュディ・デンチ(やっと名前覚えられました)が、いい仕事してくれてます。若い美人教師にのめりこんで執拗に追いかけるというストーカー役なのですが、窓際からターゲットを見つめる姿が、まるで「家政婦は見た」そのもの!

ターゲットのシーバ役には、ケイト・ブランシェット。向こうが透けて見えそうなほど白くてはかなげであるにも関わらず、相変わらずの顔力と上品な存在感。
シーバは、「なんとなく寂しいの」という理由で、新任早々15歳の生徒と肉体関係を持ってしまいます。そして、偶然にも2人の情事を目撃した家政婦、じゃなくてバーバラは、それをネタにシーバを自分の支配下に置こうとするのです。

バーバラのシーバへの感情は、友情や恋愛っていうより支配欲ですね。シーバにとって、自分の存在が優先順位No.1でないと気が済まない。

でも、シーバは結婚もして子供もいる上、不倫相手の教え子もいたりして忙しいので、いつでもバーバラの期待に応えるってわけにはいかないのです。バーバラが、可愛がっていたネコが死んじゃって悲嘆にくれていても、ダウン症の息子の発表会があれば当然ソッチを取るのです。

バーバラはそれが許せない。
私より家族を取るなんて!!断じて許せん!!
あの女を破滅させてやるわ。ウケケケケケーΨ(`▽´)Ψ


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というわけで、15歳の教え子との背徳行為は白日の下にさらされることになり、シーバの旦那さん、激怒。

この旦那さんってのが、なかなかいい役どころ。精神的に未熟で流されやすいアホなシーバと、偏執的で屈折したバーバラが互いにヒトリヨガリな世界を構築する中で、唯一まとな大人として、ちょこちょこ登場しては映画のバランスを取ってくれてます。

特に激怒シーンでは、生唾ビシバシ飛ばしながらの迫真の演技。
シーバが、「寂しかったのよ・・・」というと、
「誰だってそういう感情を持ちながら生きてるんだ!大人なんだからそういうものはコントロールしろ!!」

はたまた「悪いのは私。彼は無実なの」なんて言おうもんなら、さらに唾を吐き飛ばしながら
「Of course he is Innocent!! He is FIFTEEEEEEEEENNNNN!!!」
(当たり前だろうが!彼は15歳なんだぞぉぉぉお!!)


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まったくもって仰るとおりでございます。
私も本当にそう思います。理性ではね。

でもねー、現実世界だったら、この旦那さんはバランス感覚の取れた素敵な人だと思うけど、そうやって理性で通りを説かれちゃうと、映画としてはつまんなくない?
こういう映画にはバランスは要らない思うの。むしろ均衡が崩れまくって行き着くところまで行っちゃってた方が、鳥肌モノの芸術作品に仕上がったんじゃないかな。

バーバラのストーカーぶりがちょっと甘いところにも、スケールに欠ける要因かな。拾ったシーバの髪を日記に挟むだけじゃなくて、髪をコレクトし続けてミサンガ作って肌身離さず身に付けるとか、髪を手にとって舐めるとかさ。

バーバラのヒトリヨガリをもっともっとDeepに変態的に描いて欲しかったなー。描き方撮り方次第では、そういう変態的映画も芸術作品になり得るのにな。
その境地まで至ってない、惜しい映画でした。
変態すぎて忘れられないシーン満載の『パフューム』でも見習って欲しいものです。
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by myums | 2008-01-16 17:00 | 映画・海外ドラマ あ行  

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