旦那の名はBoo。変なカナダ人。得意な日本語は「ヨッパラチャッタ~」。その妻、Myums。3年間の交際、5年間の結婚生活を経て、2011年1月に長女みっしゃんが誕生。Booも私もLovelyなみっしゃんにメロメロな日々です。


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アリスのままで』を観ました。

言語学者として大学で教鞭をとるアリスは、3人の子供にも恵まれ、夫との仲も良く、幸せいっぱいに人生を謳歌しておりました。
ところが、講義中に言葉が出てこなくなったり、ジョギング中に迷子になったりとおかしな現象が続くようになります。

「もしかして、脳腫瘍?!」

いいえ、違います。
あなたは、アルツハイマーです。

「ええええええええええっ
まだ、50歳ですけど!!!」

非常にレアケースである若年性アルツハイマーと診断されたアリス。

アルツハイマーのもっとも恐ろしいのは、脳みそが徐々に機能不全となっていく過程を、本人が受け止めなくてはならないところです。
特に言語学者のアリスにとって、言葉やコミュニケーションは彼女の情熱そのもの。人生をかけて築き上げてきたものです。
それらが少しずつ、彼女の脳みそから抜け落ちていく。
そして、それを止める術はない。

トイレの場所を忘れお漏らししてしまうシーンなど、観ていて辛い。胸が締め付けられました。

とは言え、この映画では、アルツハイマーによる症状のエピソードは、比較的淡々と描かれています。
私にはそれが良かったです。
病気の恐ろしさばかりにフォーカスした映画だったら、最後まで観れなかったかもしれません。

静かに、でも確実に進行する症状の中で、アリスは「アリスとしての人生」を精一杯生きようとします。そんなアリスを、それぞれの思いを抱えながら支えていく家族。

と言うと、家族の自己犠牲の上に成り立つ介護みたいのが想像されがちですが、そうはならないところがリアル。

アリスには、旦那さんと、2人の娘と、1人の息子がいるんですが、皆それぞれに家族があったり、仕事があったり、夢があったりして忙しいのです。
旦那さんにしても、日常の細々した世話はになっていますが、彼にも彼の人生があり、アリスとともにそこで立ち止まっているわけにはいかない。

それは仕方のないことだと思います。

だからと言って、アリスの家族が冷たいかというと、そんなことはなく、介護が必要な状態になっても施設に送ったりせず、旦那さんは自宅介護をしていますし、家族同士連絡を取り合って、できる範囲でアリスのそばにいるようにしてあげています。

特に、次女リディアとアリスの親子関係が、可愛らしくて、とても良かったです。

優秀で高学歴の家族の中で、女優を目指し自由な生き方を好むリアディアは異質な存在。アリスはそんなリディアに、「学歴もキャリアのうちよ。カレッジに行ったら?」とかなんとか、説教臭いことを言い、リディアはアリスに対し、「口うるさいな~」と思ってるわけです。

ただ、この二人のやりとりが何だかコミカルで可愛らしいんですね。

発症後も、病気を盾に進学を勧めるアリスに、「そんなのずるいわ。病気を使って私をコントロールしようとしないでよ」とリディアが対抗すると、アリスは「あら、なんでいけないの。病気を使っていい権利が私にはあるわー」みたいなことをシレッと言ってのけたりして、その様子がとても自然な親子なんですね。

遠く離れて暮らしていても、母とのスカイプは欠かさないし、必要となれば自ら介護を買って出る。リディアは、きっとママのことが大好きで尊敬しているんだろうな~と思います。

症状が進行し、かつての強く聡明な女性であったアリスは失われていきます。
それでも、アリスはアリス。
付加価値のなくなった丸裸のアリスを、家族はどのように受け入れていくのか。
そんな強い余韻を残す映画でした。

もし、私の身に起こった場合、まず失われるのは、英語だよなぁ・・・。
Booとのコミュニケーションどうしよう。
日本語勉強してもらわなきゃっ!
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by myums | 2015-11-02 11:20 | 映画・海外ドラマ あ行

Just Eat it A food waste story

ひっさびさの映画レビュー。
『Just Eat It』というドキュメンタリーを観ました。



バンクーバー在住のフィルムメーカー夫婦が、廃棄された食料品のみで6ヶ月間過ごせるかというチャレンジを追ったドキュメンタリーなのですが、まあ、驚きの映像の数々です。

スーパーやレストランの食料廃棄の現状、農場で廃棄される野菜の量、需要と供給のアンバランスから生まれる無駄。

その量がすごい。食べ物が可哀想になっちゃいます。

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しかしスーパーで廃棄される食料は全体から見たらほんの一部で、食料廃棄全体の40%を占めているのは、一般家庭なのです。


私がカナダに来た当初、Booのご両親と同居させてもらってました。

娘ができてみたいで嬉しいと腕によりをかけて料理を作ってくれたBooママ。
それは嬉しいし、感謝しているのですが、量がハンパない。
朝から、パンケーキ10枚以上、トースト、ベーコン、卵料理、サラダがドンドンドーンとテーブルにあがり、ディナーもサーモン丸々一匹とか、ターキー一羽とか、家族4人ではとても消費しきれない量の料理でした。

そして、残ったものは容赦なくゴミ箱にドサドサッと放り込まれます。
ゴミも分別してません。
キャットフードの缶も、プラスチックも、紙も食料も、ぜーんぶ燃えるゴミに入れちゃう。

そして週に1度、山のように食料を買出し、冷蔵庫に入らないものはガラージにあるセカンド冷蔵庫へ。そして使われず腐った野菜たちも、ドサドサ捨てます。

時にはお友達を招いたホームパーティーなんかもします。
その度に、大量の食べ残しが出ます。

「もったいない!」という私に、「i know... but Better than not enough:)」というコメントをスマイルつきで返すBoo家族。

大量生産、大量消費、大量廃棄、飽食の時代の真っ只中に青春を捧げた年代の彼らには、それが当たり前の感覚なんですね。
もちろん、私たち日本人も大量廃棄をしています。
だけど、農耕民族ならではの国民性や宗教観、敗戦経験によって根付いた「もったいない精神」は、私たちの世代へも引き継がれています。

Booママも早々にエネルギー切れとなり、私とBooに料理を作ることはなくなったのですが、やはり大量廃棄の食べ物を見てるのが本当に切なかった。
やっと家を出れたときは、ああ、これで食べ物を大切にできる、と思ったものです。

食料を廃棄することは、もったいないだけでなく、世界全体の食糧危機を加速させ、大気を汚染させ、地球温暖化にも繋がります。
自分の子供や孫たちに、ツケが回ってくるのです。

つたない英語(当時、ほとんど話せなかった)でそういう話もしてみましたが、多分伝わってなかったのかな。彼らの生活習慣は変わることはありませんでした。
大きなお世話だったのかもしれません。

あれから10年以上を経て、やっとBC州でも、生ゴミリサイクルが始まりました。
カナダは本当に遅れてますが、人々の意識も少しずつ変わってきているを感じます。
リサイクルが生活に根付いている私たちの子供たちが大人になったときには、確実な変化が起こっているでしょう。

ゴミ減量に狂信的になる必要はないですが(過度な分別はストレスいっぱいです)、日々の小さな努力が世界を変える。そう信じて、私たち1人1人ができることをしていきたいですね。

買いすぎない
作りすぎない
冷凍保存する
規格外となった野菜や果物を買う(入手先を探すのが大変かな・・・)

フランスでは、売れ残りの食品廃棄を禁止する法律が可決されたそうです。
画期的ですね。カナダもそうなればいいのにな~。
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by myums | 2015-05-30 15:11 | 映画・海外ドラマ さ行

マイ・ブラザー Brothers

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『マイ・ブラザー』を観ました。

ジェイク・ギレンホールとナタリー・ポートマンとトビー・マグアイアの3人が主演。ジェイク大好き!ナタリー大好き!トビー、苦手!!

トビー・マグアイアの目が苦手。ビー玉みたいで、心が読めない目。ちょっとコワイ。

しかし!
今回は、そんなトビーの目がすごく良かったのです。

兄役トビーは海兵隊。しっかり者で両親からの信頼も厚く、美しい妻(ナタリー)と2人の娘と幸せに暮らしています。
対する弟のジェイクは、銀行強盗で捕まって刑務所に入ってるゴロツキ者。ナタリーからも苦手な相手とされています。

でも兄弟仲はとても良い。
まあ、よくある設定ですね。

そして弟の出所と入れ替わるように、兄が戦地に赴き、その後戦死のたよりが届きます。悲嘆に暮れるナタリーと娘たちを、支えてくれたのが、弟のジェイクでした。
兄の死をきっかけに責任感を身に付け、ナタリーに淡い恋心をいただくようになる弟。夫の死の辛さから、傍で優しく強く守ってくれるジェイクに、少し心が揺れ始めるナタリー。

ぶっちゃけ、そりゃないだろーーー!
旦那の弟だよ。いくら死んだからって、旦那の弟は恋の対象にならないよ。半径狭すぎだって。

まあ、100歩譲って、一瞬ぐらつくこともあるとしましょう。

そこへなんと、トビー兵帰還!!!
しかし、戻って来たトビーはやせ細り、疑心暗鬼の狂気に取り憑かれた瞳をぎらつかせ、以前とはまったく別人になっていたのです。

この狂気の瞳が、トビーにぴったりでした。
太りやすそうな体のトビーが、ガリッガリに痩せてる姿にも驚嘆。

帰還してからのトビーの演技は圧巻です。

ナタリーとジェイクが、徐々に心通わせ笑顔で過ごしてたその時、戦地のトビーは、精神が破壊されるほどの体験をしていたのです。
テレビや映画でしか見たことないような出来事が、自分の家族に起こったとき、その痛みを理解してあげることなんてできないんじゃないだろうか。
あまりにも想像を絶する出来事すぎて、実感できないと思う。

逆に自分の身の上に起こったときだって、もう平穏な生活に身を浸らせることなんてできないんじゃないだろうか。この苦しみは誰にも理解できない、と思うんじゃないだろうか。

戦争を体験していない人が、戦争の本当の辛さを実感できないように。

だからトビーが、苦しくて、誰も信用できなくて、頭がおかしくなってしまったのも、納得できる。だけど、その苦しみを和らげることなら、できると思う。同じ痛みを感じて共有することが無理なら、痛みや苦しみを癒してあげればいい。

実際にはそんな簡単なことじゃないけど、その努力をし続けるのが夫婦だと思し、添い遂げるってそういうことだと思う。

この映画のラストも良かった。白黒はっきりつけない終わり方が、後々まで観る側の心を揺さぶり続けます。じっくり考えさせられながらも、じんわり温かい気持ちになれる、良い映画でした。
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by myums | 2010-06-25 23:00 | 映画・海外ドラマ ま行

17歳の肖像 -An Education-

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『17歳の肖像』を観ました。

1960年代、ロンドン郊外の中流家庭に暮らす16歳のジェニーは、オックスフォード大学進学を目指す優等生。毎日チェロの練習と勉強に奮闘しているけど、それはすべて父親の期待、というより命令に応えているだけで、ジェニー自身は、フランスの文学や音楽、パリの華やかで自由な文化が大好き。

部屋でこっそりシャンソンを聞きながら、フランスに思いを馳せるのが唯一の楽しみだなんて、自分の人生はなんて退屈なんだろう。
こんなに我慢してまで、女性が学歴を積んで何になるの? 何がやりたいのかも分からないのに。
ロンドンなんて、いつも灰色で暗くて、素敵なことなんてありやしない。あー、つまんない!


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そんな風にくすぶってたジェニーは、ある日、倍以上も年上のデイビットという男性と出会い、恋に落ちます。

ウィットでインテリジェンスに富んだ会話、初めてのナイトクラブ、絵画オークションに、美しく着飾って出かけるゴージャスなレストラン。ジェニーは、デイビットによって、怠惰で刺激的な大人の世界を教えられるのです。

観てる側としては、デイビットが怪しい男で裏があるのは明らかなんですが、決してジェニーを愚かだとは思えないんです。
だって、ティーンネイジの女の子なんて、みんなそんなもんじゃない?

年上で、未知の世界を教えてくれる彼。お金があって、一人暮らしで、車を持ってる優しい彼。

そういう恋愛がステイタスだし、きらびやかでゴージャスな世界に憧れる。自分が17歳の頃を思い出してもそう。とにかく今の生活から私を連れ出してくれる男性を探してました。
そういう考えこそ、子供の甘えだということを、後で思い知らされるんですけどね。

ジェニーも、かなりショッキングな形でデイビットに裏切られ、自分の愚かさに気付かされます。そこからの展開は、ちょっと出来過ぎでしたが、映画全体としてはすごく良かったです。


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まず、なんといっても60年代のファッショやヨーロッパ文化が素敵!
花柄や刺繍を施されたエレガントなカティングワンピースに、パールアクセサリー。トップにボリュームを持たせて緩くカールさせたヘアスタイル。
アンティーク家具や、街灯、車も、ノスタルジックな雰囲気が満載で、観ているだけで心がときめきます。
陰鬱に感じるほど暗く描写されるロンドンと、白い建築物が多く日差しに溢れパリとの対照的な描き方も、ジェニーの心象を分かりやすく表していて良かったです。
実際には、パリだって冬は暗いですけどね。

それから、「An Education」という原題が好き。
ジェニーの父親が強制的なまでに課す勉学というEducation。
デイビットから施される未知の世界へのEducation。
男に裏切られて学ぶ人生というEducation。

そのすべてを無駄にしない生き方とは?
それを模索するEducationに気付いた時、人は大人の階段をのぼり始めるのです。

そういった道徳的メッセージの中に、バージンの青臭い女子高生を大人に仕上げていくロリータ的エロティシズムを織り込んで、なかなか見応えのある、バランスの感覚の良い作品に仕上がっていました。

「人生に近道はない」

ジェニーのその言葉が印象に残ります。
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by myums | 2010-04-04 19:44 | 映画・海外ドラマ さ行
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『ファッションが教えてくれること』を観ました。

面白くないことはないけど、全体的にパッションが欠けてましたね。
雑誌編集業界の大変さは分かりましたけど、でもどんな業界でも、大きなLaunchの前ならあのくらいの厳しさや忙しさは当たり前です。何もヴォーグや雑誌業界に限った話じゃありません。
その目まぐるしさの中にあっても、仕事に対するパッションがあるから、物語が生まれるんです。

ドキュメンタリー映画に一番大切なもの、それはパッションだと思うんです。
例えばこの映画なら、アナの、ヴォーグやファッション業界に対する愛情や情熱ですね。

そもそも映画の作りが、アナ本人よりも、彼女の20年来の片腕あるグレイスのほうにフォーカスしてて、しかもグレイスのキャラクターや人生観の方が興味深いときたもんだ。

髪はボサボサ、化粧っけもないグレイス。ハイ・ファッション雑誌ヴォーグで働いているようには見えない彼女ですが、元モデルだっていうから、これまたビックリ。
交通事故にあって美しい外見を失ったグレイスはモデルをあきらめ、ヴォーグで編集者として働くようになります。
グレイスの自宅の壁には、モデル時代の写真がところ狭しと飾られていました。力強い視線を持ったとても美しい少女。今のグレイスの面影もありません。
きっと、彼女は「美しくあること」に人並みならぬプライドを持っていたのでしょう。ボサボサな髪も化粧っけのなさも、事故で外見の美しさを失ったグレイスの必死の抵抗なのかもしれません。

ヴォーグの仕事においても、アナとよく衝突するグレイスは、自分の存在価値に不安を覚えていました。美しいアナ、強いアナ、絶大な支持と影響力を持つアナ、ファッション界をリードするアナ。アナのカリスマ性を認めながらも、嫉妬を感じ、自負心を持て余すグレイス。

自信を持って出した仕事をアナに却下されて心弱くなっていたグレイスですが、パリで美しい庭園に遭遇し、大きな感動を覚えます。
「美しいものは世の中に溢れている。私は美しいものが好き。美しいものが心を揺さぶる瞬間が好き」
吹き抜ける風を受けながら、庭園を見つめるグレイスの表情がとても印象的でした。


しかし、残念ながら、それがこの映画をおもしろくしているかと言ったら否です。やっぱりヴォーグの顔であるアナにもっとフォーカスしないと、説得力がないですよ。

アナは「氷の女」とか言われてるみたいだけど、この映画を見る限り、人の意見には一応耳を傾けるし(結局は自分の意思を通すとしても)、情も厚いし、Coolだけど、嫌な人ではないように見えました。

だからこそ、仕事やファッションに対する情熱をアナに語って欲しかった。なぜ彼女がそんなにスペシャルなのか。それが伝わってこないために、アナの娘が言った「ファッションは確かに楽しいけれど、それがすべてにはなり得ない。世の中にはもっとたくさんのことがある」というコメントの方が、よっぽど説得力を持ってしまいました。

でも、アナのぶった切りコメントは面白いです。シエナ・ミラーの笑顔写真に、「歯がToo Much」だって! 私もそう思う。
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by myums | 2010-02-03 11:49 | 映画・海外ドラマ は行
『イングロリアス・バスターズ』を観ました。

『パルプ・フィクション』以来、久々に楽しめたタランティーノ映画でした。タランティーノお得意の無駄なダラダラ・モノローグもありつつ、ブラックユーモアあり、濃いキャラ設定あり、最初から最後までテンポも良かったです。逆手に取ると、タランティーノにしては奇天烈具合がいまひとつと言えるくらい、収まりよくまとまった作品でした。

個人的には、そのくらいが丁度良いです。キル・ビルvol.1なんかは、私にはマニアックすぎてついていけなかったので。
キル・ビルのしっちゃかめっちゃかと、オマージュ詰め込みぶりを期待してこの映画を観ると、ちょっと残念な結果になるかもしれません。

パルプ・フィクションから無駄を少し省いて、ストーリー性を強くしたのが、この『イングロリアス・バスターズ』。だから、(私のように)タランティーノ好きじゃなくても、楽しめると思います!

映画のタイトルでもある「イングロリアス・バスターズ」は、連合軍のナチ狩り特殊部隊。ブラピはそのリーダー役でアメリカ南部出身なんですが、ブラピは南部訛りが非常に似合う!訛りがうまくコピーできているかどうかは分かりませんが、そんなことはポイントではなく、ブラピの演技にはコミカルなリズム感があるってこと。
スナッチのときの、しゃべり方も最高でしたよねー。
バーン・アフター・リーディングのときみたいに、根っから頭の足りない役はいまひとつだけど、切れ者なのにどこか抜けてるとか、一生懸命の中にに漂うユーモラスを表現させると、いい味だすんだよね。

そして、この特殊部隊イングロリアス・バスターズは、ナチから恐れられる存在であるはずなのに、隊員がなぜかみんなヤサイ。完全インドア系の外見。でも、すごく強い。バッドで殴り殺したり、頭の皮を剥いだりと、ナチと同じくらいの残酷さ。

隊員の一人に、北米ドラマ「The office」でおなじみの彼も出演。

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セリフは少ないものの、結構クローズアップされてます。でも、演技は…、硬い…。

幼い頃、ナチに家族を殺され復讐を誓うショシャナ役に、メラニー・ロラン。これまでタランティーノの女優選択眼がどうも好きじゃなかった私。でも、今回はいい!メラニーきれいだよ〜。パンツルックもドレスも、美人は何着てもいいね!最後の赤いドレスも良かったし、高笑いも美しかった。

赤いクリーム・チークを、戦場に向かう戦士のごとく、頬になすり付けるシーン。かっこ良かったです。でもクリーム・チークって少量ずつ伸ばしていったほうがいいと思うよ!

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メラニー・ロラン含め、今回のタランティーノ映画は、ヨーロッパの役者陣が本当に良かったです。特に、ユダヤ人ハンターの異名をとる大佐役の人。クリストフ・ヴァルツっていうそうです。外見は近所のおっさんですが、平凡な役からトリッキーな演出まで、なんでもこなしてくれそうな雰囲気。

グッバイ・レーニンで主演してた子も出てました。

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まあ、悪くないけど、可もなく不可もなく。今イチ役に乗り切れてない印象でした。あんまり個性が強くないから、タランティーノ向きじゃないのかな。2 days in Parisにチョイ役で出てた時は、ほんわかしてて良かったんですけどね。

最後に。
冒頭のシーンで出て来たフランス人のパパンが、かっこ良かった!
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by myums | 2009-11-29 21:19 | 映画・海外ドラマ あ行
『君のためなら千回でも』を観ました。
すごく良かった!
登場人物がアフガン人ばかりなので、聞き慣れない中東アクセントに悪戦苦闘でしたが、それでも、今年一番と言えるほど、良かったです。
特に前半。


70年代後半、まだ平和だった頃のアフガニスタン。
富裕層の子供アミールと使用人の子供であるハッサンは、生まれたときから一緒に育った大親友でした。その絆はとても強く、特にハッサンがアミールによせる忠誠心は、ちょっと偏った印象すら与えるほどです。

実際、近所の悪ガキ3人組から「お前らホモだろ。キモイんだよ!」的ないじめを受けたりしてます。私も、ハッサンのアミールを見つめる熱い視線には、男同士の友情を超えた何かを感じずにはいられませんでした。

しかしそれも後に起こる事件の伏線だったのかもしれません。
町で開催された凧上げ大会に優勝したアミールとハッサンコンビ。賞賛の中心をアミールに譲り、ハッサンは凧を追って人気の町中へ走ります。
しばらくして、ハッサンを探しに出かけたアミールは、なんと、ハッサンが悪ガキ3人組の1人にレイプされている現場を目撃してしまうのです。

なんという展開!!

思わずその場から逃げ去ってしまうアミール。
そして、片足を引きずりながら現れたハッサンに、「どこ行ってたんだよ。探してたんだよ」と、チョー普通に挨拶。
「なんでもない」と答え、アミールとともに歩き出すハッサン。その足元に、鮮血がポタポタと落ちていくのでした。

かわいそうすぎる・・・。

きっとアミールは、ハッサンを待ちながら煩悶したんでしょうね。
「どうしよう。なんて声かけよう。無事か? なんて聞いたら、逃げたことがばれちゃう。ああ、僕はなんてズルくて弱い人間なんだ。でも、僕まであんなことされたら、それもそれで地獄だ。ケンカ弱いし。かないっこないもん。
よし、ここは、見なかったことにしよう」。

でも、見なかったことにできるレベルのことじゃありません。
その日からアミールは、ハッサンと距離をおくようになります。それどころか、「お前は弱虫だ!!」とハッサンを罵りながら果物を投げつけたります。ハッサンは果物を拾い上げると、それをアミールに投げ返さず、自分の顔になすり付けます。
服も顔も果汁で赤く染まったハッサン。

ハッサンは、アミールが自分を助けず逃げてしまったことに気付いていたのでしょう。「それでも僕は君のために血の涙を流そう」。ハッサンはそんな気持ちで、強い決意を込めて、赤く染まっていたように思いました。

赤い果汁まみれになったハッサンの姿が、レイプされ鮮血をしたらせていた姿とタブッて、とても切ないシーンでした。

アミールを見るたび罪の意識に苛まれ、自分の弱さを認めざるを得ないハッサンは、その苦しみから逃れるため、ハッサンを追い出そうと画策します。
結局ハッサン一家は、アミールの策略とは別の理由でハッサンの家の使用人を辞めて出て行き、それきり音信不通となりました。

その後すぐにアフガンはロシアの侵攻に遭い、アミールも父と共にアメリカに亡命し、二度と故郷には戻らないというか、戻れない状態になるのです。
アメリカで貧しいながらも自由な生活を手に入れ、学校も卒業し、家庭も手に入れたアミールの元に、一本の電話が。

それは、父親の親友からの電話でした。
「アミール、君はアフガンに戻らなければいけない」。

彼から「真実」を聞かされたアミールは、タリバン政権支配下のアフガンへ単身乗り込んでいきます。
ここの展開だけは、調子良すぎで安っぽい印象になってたのが残念。
アミールが突如無敵のヒーローになっちゃった雰囲気で、違和感がありました。

でも、ミッション・コンプリートした後のアミールが、「正しいことを正しい」と胸を張って言える人間に成長した姿はとても印象的です。
弱い自分を克服して強くなった人間は、弱さを知っている分、懐が深い。
アミールの、過去の罪に対する贖罪の旅は始まったばかりだけど、これから少しずつ、再生していける。彼はその希望を自分の手でつかみ取り、その希望に対して、今は言える。幼き日に、ハッサンがかけてくれたあの言葉。

「きみのためなら千回でも」

人間は誰しも弱さを持っている。
同時に、誰しもが強くなれる可能性を持っている。
そんな希望が、高く青い空に広がるラストでした。
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by myums | 2009-07-09 15:18 | 映画・海外ドラマ か行
トム・ハンクス主演、『天使と悪魔』を見ました。

前作『ダ・ヴィンチ・コード』は、いまいちだったのですが、今作は、なかなか面白かったです。宗教色の濃かった前作に比べると、今回はサスペンス要素がメインで、ドキドキハラハラの連続。
エンターテイメント性はバッチリです。

反面、謎解き部分はめっちゃいい加減。
例によってラングドン(トム・ハンクス)が犯人を追ってバチカンの狭い国をあっちへこっちへ走り回るのですが、その行き先はなぜか常に、「天使の像が指差す方向」。しかも即決。ちょっとは裏とったり、考えたりしようよ。

ストーリー性も乏しいかな。深みとかはないです。ユアン・マクレガーが出て来た瞬間、「まさか、そういう展開!?」と予想がついたのですが、まさか本当にその予想通りになるとは…。

あと、今作は血もいっぱいでたし、グロイ映像が多かったです。
特に、火だるま処刑が怖かった・・・。
そう意味で、目を引く演出は満載でしたよ。

あ、あと、次の教皇を選出するための会議の名前が「コンクラーベ」に聞こえて、笑っちゃいました。
根比べ??

コンクラー でしたわ。


字幕でちょっとひっかかった訳が2つあったので、それについて。

1つは、「Naive」を「単純」と訳していたところ。
核をしのぐエネルギーを凝縮した反物質を作ったものの、それが盗まれて大変なことになった研究家が、「世界を変えられると思っていたなんて、私はなんて馬鹿なの!」と自分を罵ったときに、ラングドンが言った言葉です。

「馬鹿ではない。"単純”であったかもしれないが」

Naive(ナイーブ)は、無智、経験値が低い、思慮が浅いなどネガティブな意味合いの濃い言葉なので、ラングドンもこの時はかなりの皮肉を込めてこの言葉を使ったのでは。
そうすると「単純」では意味合いが弱い感じします。
「浅はか」と訳した方がしっくりくるかな。


もう1つは、「Oh my god」の訳。
「何をするつもりだ?」

これは、ユアン・マクレガー扮する司教が反物質を持ってヘリコプターに乗り込むシーンで、ラングドンがつぶやいた言葉です。
この場合のOh my godは2つの意味が考えられると思うんです。

● 司教が何をするつもりかは分からんが、「危険物を抱えてヘリに乗り込んだ」という状況に対して、発せられた。

または

● 司教が何をするつもりか分かってるが故に、びっくりして発せられた。

この映画の翻訳者さんは、前者をとって、「何をするつもりだ?」と疑問系にしたのでしょう。私なら、後者をとります。なぜなら、爆発物を抱えてヘリを操縦するという状況なら、もう答えは1つ。自爆しかないでしょう。爆発までの残り時間もわずかだし。

訳は、どうするかなー。

「なんてこった」とか、「まさか…」にするかな。
普通過ぎかな。


こういう日本語にない英単語をどういうニュアンスで訳してるかをチェックするのって、映画を見る楽しみの1つであります。


で、この話を、映像翻訳勉強中の同僚にしたところ、彼女はこう言いました。
「翻訳しないという手もあるよ」

すごい、奥の手!!

映像翻訳の世界では、あえて日本語に訳さず、英語のままにすることもあるんだそうです。そう言われてみると、ストーリーに深くかかわってこないつぶやきとか、すでに日本でもニュアンスが浸透している英単語なんかは、字幕がでないことあります。

でも、出版翻訳(小説とか本の翻訳)では使えないテクだな〜。
カタカナ表記にしちゃうってのはありだけど。

同じ翻訳でも、その分野によって色々と違いがあって面白いものです。
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by myums | 2009-07-03 01:38 | 映画・海外ドラマ た行

愛を読む人-the reader-

『愛を読む人』を見ました。
先に原作の『朗読者』を読んでいてすごく気に入っていたので、期待と不安半々で見たのですが、原作の雰囲気を壊すことなく、素敵な映画に仕上がってました。

時は第2次世界大戦下のドイツ。(またかよ!)
15歳の少年ミヒャエルは、下手したら自分の母親になり得るほど年の離れたハンナと、肉体関係を持ちます。初めての相手ですから、ミヒャエルはそりゃもうハンナに夢中になります。

学校がひけるとハンナの家に駆けつけ、細い糸をひいてとろける蜂蜜のように、甘く濃密な時間を共にします。文学少年であったミヒャエルに、朗読をねだるハンナ。愛を交わす前の朗読は、いつしか二人の習慣となっていくのでした。

ところが、ある日突然、ハンナはこつ然と姿を消すのです。

そしてそれから8年後。
法学部の学生となったミヒャエルは、ある法廷の傍聴席から、被告人席にいるハンナを見つけます。ハンナはミヒャエルの前から姿を消した後、ユダヤ人収容所の看守として働いており、その罪で告訴されていたのです。
無期懲役を言い渡されるハンナ。

ミヒャエルは、ハンナの無実を証明するに足りる証拠に気付きます。それは、ハンナが頑に秘密にしていたある事実。

この事実がキーなのですが、とても残念なことに、映画の早い段階で分かりやすいヒントがいくつも出て来てしまいます。原作では、それがさりげなく、上手に隠されているので、私はその事実を知ったときには、すごく驚くとともに、その後の展開やハンナの気持ちにも寄り添うことができたのですが、映画だと、どうだろう。
Booは、ヒント2くらいで分かっちゃってましたけど、映画自体はすごく良かったと言ってたので、支障はないのかな。

この物語の良いところは、前半のエロティシズムと後半の乾いた雰囲気のギャップがきちんと埋まっているところ。正反対のものを扱っているのに、ちゃんとつながりを感じるし、前半があったからこそ、後半のミヒャエルの葛藤が生きてくる。

ハンナはとてもプライドが高い割に、打算のない純粋な人です。
裁判長に、「あなたのしたことは人間として間違っていると思いますか?」と聞かれ、「では、あなたならどうしていましたか?」と聞き返してしまうほどに、まっすぐです。
聞かれた裁判官は言葉に詰まってました。

ナチス統制下の時代。
逆らうことは、銃殺を意味する。
「それでもあなたはナチスに反抗できますか?」
ハンナは裁判長にそう聞いたのです。

自分の正義ではなく、国が定めた正義。それだけが正義。
ハンナのしたことは、間違いなく悪であり、裁かれるべきものでしょう。
けれど、善が悪で、悪が善であった時代の善悪を、今の時代に当てはめて、ハンナだけを裁くことは、あのナチスが行った制裁と似通っているように思えます。
だから、裁判長は反論できなかった。
「私なら、ナチスの言いなりにならず、正義を貫いた」そう言い切れる自信は裁判長には、というか、誰にもないでしょう。


さて、ミヒャエルは、ハンナを理解したいと思いながらも、ハンナを受け入れ愛することはできませんでした。それはハンナが老いたからではなく、ハンナという人間があまりにも自己の価値観に凝り固まっていたように見えたからだと思います。
それでも、ミヒャエルはハンナに素晴らしい贈り物をしたし、ハンナにとっては、それで十分だったのでしょう。

最後の最後でハンナが見せた甘える仕草は、映画ならではのもので、原作では最後までプライドの高い、不可解な人間として描かれています。ミヒャエルの愛情に期待するような仕草は、私のイメージするハンナにはないものだったので、映画を見たときはちょっと違和感がありましたね。

原作の方が断然良いですが、映画も映画で、その映像美に捨てがたいものがあります。映画を見て好きだったら、原作もぜひ読んでみてください。
また違った印象を受けるかもしれません。
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by myums | 2009-06-03 23:15 | 映画・海外ドラマ あ行

チェンジリング

アンジェリーナジョリー主演、『チェンジリング』を見ました。
私の苦手な、クリント・イーストウッドさん監督作品。
また説教臭い映画なんだろうなと期待せずに見たのですが、これがなかなか面白かったです。

アンジェがハスキーボイスで叫ぶ!叫ぶ!うなる!むせび泣く!!

その辺りは、ドラマティック大好きなクリントさんらしい作りかと思います。

かなり展開が早いので物語の掘りが浅くなっていて、そこがもったいなかったかな。
物語を舐めるのではなく、母の心情を深く描くとか、マルコビッチをもっとうまく使っても良かったし、精神病院のシーンだってもっともっと興味深いエピソードになり得たのにな。
でも、子を持つ母や、これから母となる女性、いつか母になりたい女性には、ぐっとくるシーンがたくさんあると思います。アンジェは迫力満点です!

あと、警部役の人、『Burn Notice』っていうTVドラマに出てて、そこでははまってるのに、この映画で見たら、演技ひどい!
役柄の違いもあるだろうけど、テレビ界と映画界ってレベルが違うんだろうなぁ。
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by myums | 2009-06-03 22:16 | 映画・海外ドラマ た行