タグ:映画・恋愛モン ( 22 ) タグの人気記事

 

ブルーバレンタイン

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久々の映画レビューにふさわしい映画、『ブルーバレンタイン』です。

結婚7年目を迎え、絶頂倦怠期のディーンとシンディ。
3歳になるかわいい娘のためにも、何とか平穏な家庭を続けていきたい。
互いに努力するものの、どうしても交差しない互いの気持ち。


このままでは愛が消えてしまう。
俺はまだシンディを愛している。

2人の愛を取り戻すため、ディーンは2人でホテルに泊まろうとシンディをデートに誘います。嫌々ながらもかすかな希望を持ち承諾したシンディでしたが、ホテルで過ごした時間は苦痛以外の何者でもありませんでした。

ディーンに対し、嫌悪感さえ抱いている自分に気がついたシンディ。

もう、彼とは一緒にいられない。


そんな冷め切った二人にも、強く惹かれあっていた頃があったのです。
辛い現状の合間に流れる、出会ったころの幸せなエピソード。
路上で踊ったり、じゃれあって笑ったり、無邪気でとてもかわいらしいカップルだった。
永遠の愛を確信していたのに、いつの間にか、相手の何もかもがいやになってしまっていた。


この映画は、出会いと終わりだけを描き、その間に起こった賭け違いの部分は描かれていません。それがまた作品にリアリティーを与えてます。
だって、愛が倦怠に変わるのって、ドラマティックなきっかけじゃなくて、たわいもない小さな違和感の積み重ねですよね。ディーンとシンディも、毎日の生活の中で感じていた違和感に目をつむりながら過ごしてしまったんでしょう。


恋愛の持つ脆さと切なさが分かる人に見てもらいたい映画です。
構成もいいし、役者もいいし、リアルに胸に響きます。

でも、ライアン・ゴスリング(ディーン役)の禿げチョビン姿には笑っちゃう!
シンディ的には、「禿げ散らかしたアンタに用はないわ!」ってところだったんじゃ。
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by myums | 2011-05-26 22:25 | 映画・海外ドラマ は行  

マイ・ブラザー Brothers

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『マイ・ブラザー』を観ました。

ジェイク・ギレンホールとナタリー・ポートマンとトビー・マグアイアの3人が主演。ジェイク大好き!ナタリー大好き!トビー、苦手!!

トビー・マグアイアの目が苦手。ビー玉みたいで、心が読めない目。ちょっとコワイ。

しかし!
今回は、そんなトビーの目がすごく良かったのです。

兄役トビーは海兵隊。しっかり者で両親からの信頼も厚く、美しい妻(ナタリー)と2人の娘と幸せに暮らしています。
対する弟のジェイクは、銀行強盗で捕まって刑務所に入ってるゴロツキ者。ナタリーからも苦手な相手とされています。

でも兄弟仲はとても良い。
まあ、よくある設定ですね。

そして弟の出所と入れ替わるように、兄が戦地に赴き、その後戦死のたよりが届きます。悲嘆に暮れるナタリーと娘たちを、支えてくれたのが、弟のジェイクでした。
兄の死をきっかけに責任感を身に付け、ナタリーに淡い恋心をいただくようになる弟。夫の死の辛さから、傍で優しく強く守ってくれるジェイクに、少し心が揺れ始めるナタリー。

ぶっちゃけ、そりゃないだろーーー!
旦那の弟だよ。いくら死んだからって、旦那の弟は恋の対象にならないよ。半径狭すぎだって。

まあ、100歩譲って、一瞬ぐらつくこともあるとしましょう。

そこへなんと、トビー兵帰還!!!
しかし、戻って来たトビーはやせ細り、疑心暗鬼の狂気に取り憑かれた瞳をぎらつかせ、以前とはまったく別人になっていたのです。

この狂気の瞳が、トビーにぴったりでした。
太りやすそうな体のトビーが、ガリッガリに痩せてる姿にも驚嘆。

帰還してからのトビーの演技は圧巻です。

ナタリーとジェイクが、徐々に心通わせ笑顔で過ごしてたその時、戦地のトビーは、精神が破壊されるほどの体験をしていたのです。
テレビや映画でしか見たことないような出来事が、自分の家族に起こったとき、その痛みを理解してあげることなんてできないんじゃないだろうか。
あまりにも想像を絶する出来事すぎて、実感できないと思う。

逆に自分の身の上に起こったときだって、もう平穏な生活に身を浸らせることなんてできないんじゃないだろうか。この苦しみは誰にも理解できない、と思うんじゃないだろうか。

戦争を体験していない人が、戦争の本当の辛さを実感できないように。

だからトビーが、苦しくて、誰も信用できなくて、頭がおかしくなってしまったのも、納得できる。だけど、その苦しみを和らげることなら、できると思う。同じ痛みを感じて共有することが無理なら、痛みや苦しみを癒してあげればいい。

実際にはそんな簡単なことじゃないけど、その努力をし続けるのが夫婦だと思し、添い遂げるってそういうことだと思う。

この映画のラストも良かった。白黒はっきりつけない終わり方が、後々まで観る側の心を揺さぶり続けます。じっくり考えさせられながらも、じんわり温かい気持ちになれる、良い映画でした。
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by myums | 2010-06-25 23:00 | 映画・海外ドラマ ま行  

17歳の肖像 -An Education-

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『17歳の肖像』を観ました。

1960年代、ロンドン郊外の中流家庭に暮らす16歳のジェニーは、オックスフォード大学進学を目指す優等生。毎日チェロの練習と勉強に奮闘しているけど、それはすべて父親の期待、というより命令に応えているだけで、ジェニー自身は、フランスの文学や音楽、パリの華やかで自由な文化が大好き。

部屋でこっそりシャンソンを聞きながら、フランスに思いを馳せるのが唯一の楽しみだなんて、自分の人生はなんて退屈なんだろう。
こんなに我慢してまで、女性が学歴を積んで何になるの? 何がやりたいのかも分からないのに。
ロンドンなんて、いつも灰色で暗くて、素敵なことなんてありやしない。あー、つまんない!


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そんな風にくすぶってたジェニーは、ある日、倍以上も年上のデイビットという男性と出会い、恋に落ちます。

ウィットでインテリジェンスに富んだ会話、初めてのナイトクラブ、絵画オークションに、美しく着飾って出かけるゴージャスなレストラン。ジェニーは、デイビットによって、怠惰で刺激的な大人の世界を教えられるのです。

観てる側としては、デイビットが怪しい男で裏があるのは明らかなんですが、決してジェニーを愚かだとは思えないんです。
だって、ティーンネイジの女の子なんて、みんなそんなもんじゃない?

年上で、未知の世界を教えてくれる彼。お金があって、一人暮らしで、車を持ってる優しい彼。

そういう恋愛がステイタスだし、きらびやかでゴージャスな世界に憧れる。自分が17歳の頃を思い出してもそう。とにかく今の生活から私を連れ出してくれる男性を探してました。
そういう考えこそ、子供の甘えだということを、後で思い知らされるんですけどね。

ジェニーも、かなりショッキングな形でデイビットに裏切られ、自分の愚かさに気付かされます。そこからの展開は、ちょっと出来過ぎでしたが、映画全体としてはすごく良かったです。


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まず、なんといっても60年代のファッショやヨーロッパ文化が素敵!
花柄や刺繍を施されたエレガントなカティングワンピースに、パールアクセサリー。トップにボリュームを持たせて緩くカールさせたヘアスタイル。
アンティーク家具や、街灯、車も、ノスタルジックな雰囲気が満載で、観ているだけで心がときめきます。
陰鬱に感じるほど暗く描写されるロンドンと、白い建築物が多く日差しに溢れパリとの対照的な描き方も、ジェニーの心象を分かりやすく表していて良かったです。
実際には、パリだって冬は暗いですけどね。

それから、「An Education」という原題が好き。
ジェニーの父親が強制的なまでに課す勉学というEducation。
デイビットから施される未知の世界へのEducation。
男に裏切られて学ぶ人生というEducation。

そのすべてを無駄にしない生き方とは?
それを模索するEducationに気付いた時、人は大人の階段をのぼり始めるのです。

そういった道徳的メッセージの中に、バージンの青臭い女子高生を大人に仕上げていくロリータ的エロティシズムを織り込んで、なかなか見応えのある、バランスの感覚の良い作品に仕上がっていました。

「人生に近道はない」

ジェニーのその言葉が印象に残ります。
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by myums | 2010-04-04 19:44 | 映画・海外ドラマ さ行  

ラブリーボーン - Lovely Bones-

三輪明宏絶賛の『ラブリーボーン』を観ました。

14歳で変質者に殺されてしまった少女が、現世と天国の狭間から家族を見守る奇跡の物語。ってことなんですが、本当に見守ってるだけです。

クラスメイトにちょっと姿を見せたり、空気を揺らすことで存在を知らせたりするものの、犯人逮捕に一役買うとか、メッセージを送るとかってことは一切ありません。

というか、前評判に踊らされて、ミステリー要素や奇跡の感動をこの映画に期待しちゃいけません。なんと言っても、監督は、ロード・オブ・ザ・リングのピーター・ジャクソンです。

ファンタジー大好き、ダイナミックなカメラワーク大好き、自分の世界観をスクリーンで爆発させるの大好きな、あのおっさんです。

ピーター昔
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ピーター今
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この映画の見所はビジュアル。といっても、これまでピーターが描いてきた少年アドベントチャーではなく、今回はとってもラブリーキッチュなガールズワールド。
70年代という時代設定に合わせ、ピンクや黄色のちょっとサイケな映像になっていて、ほんとに可愛かったです。

殺された少女がいる現世と天国の狭間は、どうやら少女の心情とリンクしているみたいで、彼女がhappyなら水彩画のように柔らかく幻想的な大自然が広がりますが、彼女が悲しみや不安を覚えると、途端に色を喪った灰色の世界に変化します。

映像の変化で、感情と時間の移ろいを見せるアプローチは、すごく上手。巧みなカメラワークも健在。裸の膝頭のアップから顔へと絞っていく動きとか、さりげないけど、うまいな〜って思わせてくれます。

でも、そのカメラワークの巧さが、図らずも映画に謎めいた雰囲気を漂わせてしまい、観客にサスペンス要素を期待させてしまったかも。そうなると、少女の最後の選択がどうしても不可思議なものに思われて、「この映画の主題は何?」ってな感想になる人も多いと思います。

私の予想では、こんな感じ。

ピ―ター原作を読む → おぉ!このファンタジックな世界観を僕の力でビジュアル化してみたいよ!→ それには大金がいる → 観客が好みそうな、ミステリと家族愛も少し描いて集客しよう → 製作総指揮にスピルバーグの名前を借りて、もっと集客しちゃおう!

スピルバーグの名前を借りるところがあざとくて嫌だな〜。
多分、自分でも、この映画のメッセージングの弱さに気付いてるんじゃないかな。こういう映画を撮るなら、もっと少女の心の内部にフォーカスを当てて説得力を出さないと。観客が少女の心理とリンクすることで、幻想的な映像がより一層生きてくるのだから。

女性受けを狙うなら、「共感」は外せないポイントですよ、ピーターさん。
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by myums | 2010-01-30 21:20 | 映画・海外ドラマ や・ら・わ行  

500日のサマー (500 days of Summer) キュートなマシュマロ・ムービー

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『500日のサマー』を観ました。とにかくキュートなマシュマロ・ムービーでしたっ(〃∇〃)

永遠の愛とか運命の人とかを信じるナイーヴな青年トムが、真剣なRelationshipなんて探していないアンチ結婚派のサマーに恋をして、幸せだったり傷ついたりしながら自分自身を見つけていく。。。という、ストーリー自体はありふれたもの。
男性の方が恋に頼りすぎてて、女性の方が自立しているって点が、ほかの恋愛映画とはちょっと違うポイントかな。

これは女性にも男性にも言えることだと思うけど、自分の人生に納得してないのに、その穴を恋愛で埋めようとしたってうまくいかないわけよ。最初はうまくいってるように見えたって、それは所詮、砂の上に立ってるお城。脆い。自分の人生の土台を築けない人はダメ。

映画の主人公トムも恋愛しか頼るところがないから、サマーの一挙手一投足に振り回されて、そりゃもう滑稽なくらい大忙し。

関係がうまくいってれば、町中に笑顔が溢れ、人々はダンスしちゃう。



ディズニーの小鳥まで登場。かわいいっ(≧∇≦)

逆に関係がうまくいかなくなった途端に、ビルディングも自分も色をなくしたデッサンになっちゃう。頼りない鉛筆画と化す映像が、しゅんとしたトムの心をうまく表しています。

それほど凝っているわけでもないのに、映像によって人物の心情をうまく表現してるのが良かったです。しかも、すごくキュートで、思わずプッと吹き出しちゃうくらいコミカル。

あと、サマー役のズーイー・ディシャネルが、私好きなんですよ〜。今回も超かわいかったー。強くて自立した役柄も彼女にぴったり♡
彼女は、She&Him っていうバンドのボーカルもやってて、これがまたイイ声してる。



この映画の中でも、The Smithsのカバー曲が挿入歌として使われてます。
そう、500days of SUmmerは、音楽もすごい良かった!
特にクレジットロールで流れてた曲が気になって調べてみたら、Mumm-raというUKバンドの"She's god you high"でした。

サントラ買ってもいいかも!
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by myums | 2009-11-08 18:51 | 映画・海外ドラマ は行  

そんな彼なら捨てちゃえば? - He just not that into you -

『そんな彼なら捨てちゃえば?』を見ました。
このタイトルから容易に察しがつくように、女性目線のラブコメ。
ノーマークどころか存在すら知らなかった映画なのですが、友人に勧められて見たところ、キャストがなかなか中途半端に豪華じゃん!

女性陣は、ジェニファー・アニストン、ジェニファー・グッドウィン、ドリュー・バリモア、スカーレット・ヨハンセン、そしてジェニファー・コネリー。

なぜ、ジェニファー・コネリーがベタなラブコメに!?
ぎすぎすとした神経質な感じが、ほかの女性キャストは一線を画した存在感でした。そういうところが個人的に好きなんだけど、やっぱりこういう女女したタイプの作品だと、浮いちゃうね。

プロデュース業でも忙しいドリュー・バリモアは、本作品でもプロデュースやってたみたいで、ちょい役でスクリーン露出が低かったのが良かったです。私は彼女の顔が好きじゃないのです。アウトローな生き方は好きだけど。

男性陣は、これまた知名度の低いコメディ系の役者さんばかり。
でも、私の好きなジャスティン・ロング出演してた。(^^)ニコ
でも、私の苦手なブラッドリー・クーパーも出演。
あと、ケビン・コノリーっていう人。よく知らない。

女性陣と比較すると、日本での知名度に格段の差がありますね。あ!忘れてた!ベン・アフレッグも出てたよ。俳優業も監督業もぱっとしないけど、ジェニファー・ガーナーと可愛い娘さんと私生活では幸せそう。
映画の中では、ジェニファー・アニストンの彼氏役。7年も同棲してるのにアンチ結婚を唱えて、いつまでも踏ん切らない男を好演。まあ、俳優業はこのくらいの規模の映画で抑えて、監督業に精を出して欲しいものです。
数をこなして一皮むけたら、いい作品を創りそうな気がする。

この映画はアンサンブル・キャストによる群像劇で、それぞれの恋愛模様を描いてますが、ジェニファー・アニストンとベン・アフレッグの恋愛が一番リアリティーがあって、時代に合ってる感じがしましたね。その他のエピソードは、薄味。ラブコメでは使い古された話ばかり。

特にジェニファー・グッドウィンの、延々続く頭悪い行動には、見てるこっちが恥ずかしくなりました。デートの後に一週間も連絡ないのに、延々電話を待ち続けるし、すぐに「運命の人」だと思い込むし、ちょっと優しくされると舞い上がって、「彼は私のことが好き」とか、あんた高校生じゃないんだから、ちょっとは自分を客観視する目を持たないと。

こういうのを Funny, Cuteと思える人に、またはSex and the Cityが好きだった人なら楽しめるんじゃないかな。
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by myums | 2009-06-08 18:00 | 映画・海外ドラマ さ行  

愛を読む人-the reader-

『愛を読む人』を見ました。
先に原作の『朗読者』を読んでいてすごく気に入っていたので、期待と不安半々で見たのですが、原作の雰囲気を壊すことなく、素敵な映画に仕上がってました。

時は第2次世界大戦下のドイツ。(またかよ!)
15歳の少年ミヒャエルは、下手したら自分の母親になり得るほど年の離れたハンナと、肉体関係を持ちます。初めての相手ですから、ミヒャエルはそりゃもうハンナに夢中になります。

学校がひけるとハンナの家に駆けつけ、細い糸をひいてとろける蜂蜜のように、甘く濃密な時間を共にします。文学少年であったミヒャエルに、朗読をねだるハンナ。愛を交わす前の朗読は、いつしか二人の習慣となっていくのでした。

ところが、ある日突然、ハンナはこつ然と姿を消すのです。

そしてそれから8年後。
法学部の学生となったミヒャエルは、ある法廷の傍聴席から、被告人席にいるハンナを見つけます。ハンナはミヒャエルの前から姿を消した後、ユダヤ人収容所の看守として働いており、その罪で告訴されていたのです。
無期懲役を言い渡されるハンナ。

ミヒャエルは、ハンナの無実を証明するに足りる証拠に気付きます。それは、ハンナが頑に秘密にしていたある事実。

この事実がキーなのですが、とても残念なことに、映画の早い段階で分かりやすいヒントがいくつも出て来てしまいます。原作では、それがさりげなく、上手に隠されているので、私はその事実を知ったときには、すごく驚くとともに、その後の展開やハンナの気持ちにも寄り添うことができたのですが、映画だと、どうだろう。
Booは、ヒント2くらいで分かっちゃってましたけど、映画自体はすごく良かったと言ってたので、支障はないのかな。

この物語の良いところは、前半のエロティシズムと後半の乾いた雰囲気のギャップがきちんと埋まっているところ。正反対のものを扱っているのに、ちゃんとつながりを感じるし、前半があったからこそ、後半のミヒャエルの葛藤が生きてくる。

ハンナはとてもプライドが高い割に、打算のない純粋な人です。
裁判長に、「あなたのしたことは人間として間違っていると思いますか?」と聞かれ、「では、あなたならどうしていましたか?」と聞き返してしまうほどに、まっすぐです。
聞かれた裁判官は言葉に詰まってました。

ナチス統制下の時代。
逆らうことは、銃殺を意味する。
「それでもあなたはナチスに反抗できますか?」
ハンナは裁判長にそう聞いたのです。

自分の正義ではなく、国が定めた正義。それだけが正義。
ハンナのしたことは、間違いなく悪であり、裁かれるべきものでしょう。
けれど、善が悪で、悪が善であった時代の善悪を、今の時代に当てはめて、ハンナだけを裁くことは、あのナチスが行った制裁と似通っているように思えます。
だから、裁判長は反論できなかった。
「私なら、ナチスの言いなりにならず、正義を貫いた」そう言い切れる自信は裁判長には、というか、誰にもないでしょう。


さて、ミヒャエルは、ハンナを理解したいと思いながらも、ハンナを受け入れ愛することはできませんでした。それはハンナが老いたからではなく、ハンナという人間があまりにも自己の価値観に凝り固まっていたように見えたからだと思います。
それでも、ミヒャエルはハンナに素晴らしい贈り物をしたし、ハンナにとっては、それで十分だったのでしょう。

最後の最後でハンナが見せた甘える仕草は、映画ならではのもので、原作では最後までプライドの高い、不可解な人間として描かれています。ミヒャエルの愛情に期待するような仕草は、私のイメージするハンナにはないものだったので、映画を見たときはちょっと違和感がありましたね。

原作の方が断然良いですが、映画も映画で、その映像美に捨てがたいものがあります。映画を見て好きだったら、原作もぜひ読んでみてください。
また違った印象を受けるかもしれません。
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by myums | 2009-06-03 23:15 | 映画・海外ドラマ あ行  

ちなみに、今、おすすめしたい映画は・・・

もう年末ですね〜。
早いものです。
今年は学校に通い始めたり、仕事もチームが変わってProjectに関われるようになったり、Wii Fitを始めたり、引っ越したりと、いろいろと新しいことを始めることができた一年でした。

一番嬉しかったのは、昇給したこと〜。
うほほー。
会社での自分の評価を試すつもりでチャレンジしたRaiseだったので、認められて嬉しかった! 

来年は、今年始めたことをどこまで伸ばせるか、チャレンジの年になりそうです。

このブログについては・・・。
最近更新さぼってるね。だめね。
おすすめしたい映画はあるんだけど、なかなか更新する時間と気力がなく。
ブログについては、ぼちぼちやっていきます。

ちなみに、今、おすすめした映画は、
『パリ、恋人たちの2日間』。アメリカ人の彼氏と、フランス人の彼女がパリに2日間滞在するお話。典型的なフランスを体験するアメリカ人の苦悩みたいな。
SEXと料理とアートと人種差別主義者。まあ、全部が全部そうじゃないだろうけど、パリってそんなイメージよね。
彼氏の方も、フランス語が分からないばっかりに、悪口言われてるんじゃないかと疑心暗鬼になっちゃうくらい神経質なのが問題あり。彼の体験するカルチャーショックもさることながら、2人の交わす会話がとっても面白い。政治や文化や皮肉を絡めてウィットに富んだジョークの連発です。

「こりゃ、パリには住めねーなー」と思うかも!

では、皆様良いお年を。
来年もよろしくお願いいたします。
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by myums | 2008-12-30 16:14 | 映画・海外ドラマ は行  

キャンディ Candy

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月曜日にオーストラリアの映画、『キャンディ』を見ました。

ヘロインジャンキーのラブラブなキュートカップルが、止めたくても止められないドラッグにボロボロになりながらも深く愛し合うという、ドラッグ映画にはありがちなストーリー。その辺に新鮮みはありませんでしたが、堕ちてぼろぼろなはずの2人がなぜかいつも美しい。

詩人志望のダニエルと画家志望のキャンディ。まるでメルヘン童話の少年と少女のような2人の名前に象徴されるかのように、作品自体も詩的でメルヘンチック。

「むかしむかし、キャンディとダンがいた」

Candy was hooker, Dan was hopeless, they were junkies.
They wanted to create their own heaven.
Stars were falling down to the ground, it looked like gold rain.
They held each other and tasted honey gold rain.
They lived in the heaven of hell.

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ダメ男だけど優しく母性本能をくすぐるダン役のヒース・レジャー、わがままだけどキュートでまっすぐなキャンディー役のアビー・コーニッシュ。この2人の演技がまぶしいほどにキラキラと輝いていました。

壁いっぱいに書かれたキャンディの言葉たちや、金色の糸を引きながらこぼれ落ちるはちみつ、遊園地のアトラクションでぐるぐる回りながら高く昇っていく2人、エンディングのダンの背中。淡く切ない描写がたくさんあって、メルヘン童話のような雰囲気が良かったです。

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このブログの「つぶろぐ」にも書きましたが、今年初頭に亡くなったヒース。映画を見ながら「この人がいないなんて信じられないな〜」と運命の切なさを感じました。
You never know where the life takes you...

オージーであったヒースは、ハリウッド映画に出演するときは常にアメリカンアクセントを意識してたそうです。この映画に出演したことに対し、「アクセントを気にせず演技することができて、楽しかったよ」というコメントを生前寄せています。

アビー・コーニッシュはこの映画で初めて見ました。
すっごいキレイ!!そしてキュート!!
なのに、イカレたときの目が、こちらをゾクゾクさせるほどランランと輝いてました。ポスト、ニコール・キッドマンなんて言われてるみたいだけど、演技で言ったらクリスティーナ・リッチーに近い感じしました。彼女のほかの映画も見てみたい。


ということで、なかなか面白い映画だったのですが、ドラッグに溺れる人間の愚かさを何度も見せつらるので、すっごく疲れました。月曜に見る映画じゃなかった・・・。
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by myums | 2008-04-05 01:28 | 映画・海外ドラマ か行  

スターダスト Stardust

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ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファーが出演してると聞いて気になってたファンタジー映画、『スターダスト』を観ました。

これは愉快でした!

女の子に姿を変えた流れ星。魔法の国と、空飛ぶ海賊船。永遠の若さを手に入れるため流れ星の心臓を狙う醜い魔女たちに、王位継承を狙う魔法の国の王子たち。

分かりやすくて夢のある設定の上、ブラックユーモア満載!


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王座を狙う王子たちは、隙あらばライバルである自分の兄弟を殺していくんですが、殺されたほうは亡霊としてこの世に残り、王座の行方を見届けなければいけません。って言っても死んじゃってますから、王座もへったくれもないわけで。
最後に残った王子の後ろから「あーだこーだ」と野次を飛ばし、かっちょよく技が決まればやんややんやの大喝采。

ポップコーン片手にK-1観戦状態。

しかも殺された時の姿なので、頭に斧がぶっささってるわ、顔半分ひしゃげるわ、膝から下があり得ない方向に曲がってるわ、見た目グロなのがブラックで楽しかったです!


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それから空飛ぶ海賊キャプテン、シェークスピアの女装趣味もぶっとんでて面白かった~。キャプテン役はデ・ニーロです。彼はコミカルな役がすっかり板についちゃって、「あのデ・ニーロが女装!?」みたいな驚きはまったく感じませんでしたが、いい年こいたオヤジがピンクのフリフリに身を包んでクルクル踊ってる姿はウケますね。

海賊船が空を飛ぶシーンは、ゴージャス!
これこそファンタジック・アドベンチャー!っていうかこの映画の金はここに注がれたって言っても過言じゃないくらい。そうとう力入れて撮影したはず。
チープなスケールの映画なのに、空飛ぶ海賊船のシーンだけは息を飲むほど豪華絢爛。なんだかんだ言って、船が空飛んじゃうのってわくわくする~。

唐突に現れるユニコーンも忘れちゃいけません。おとぎの国といえば、やっぱりユニコーンですから。あまりに意味不明に出現するので、笑っちゃいました。


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ミシェル・ファイファーの魔女役ってはありきたりでしたけど、彼女は似合うからね、魔女が。「ひぃぃぃぃーっ!!」ってひきつる顔がとてもよくお似合いでした。でも、押切もえに見えるのが気になりました。


ロード・オブ・ザ・リングのようにスペクタルでもないし、入り組んだ設定もなし、ドラマティックなカメラワークや度肝を抜かれるようなCGでもないですが、素朴なワクワク感と素っ頓狂さがギュッと凝縮されてて、見てる間中楽しかったです!


ただ、流れ星役がクレア・デインズなのは、いただけない。あの人、骨太じゃない?星って感じの繊細さがないと思うの。このキャスティングは残念だったな~。
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by myums | 2007-12-31 15:13 | 映画・海外ドラマ さ行