カテゴリ:映画・海外ドラマ さ行( 34 )

 

Just Eat it A food waste story

ひっさびさの映画レビュー。
『Just Eat It』というドキュメンタリーを観ました。



バンクーバー在住のフィルムメーカー夫婦が、廃棄された食料品のみで6ヶ月間過ごせるかというチャレンジを追ったドキュメンタリーなのですが、まあ、驚きの映像の数々です。

スーパーやレストランの食料廃棄の現状、農場で廃棄される野菜の量、需要と供給のアンバランスから生まれる無駄。

その量がすごい。食べ物が可哀想になっちゃいます。

c0057810_3561968.jpg


しかしスーパーで廃棄される食料は全体から見たらほんの一部で、食料廃棄全体の40%を占めているのは、一般家庭なのです。


私がカナダに来た当初、Booのご両親と同居させてもらってました。

娘ができてみたいで嬉しいと腕によりをかけて料理を作ってくれたBooママ。
それは嬉しいし、感謝しているのですが、量がハンパない。
朝から、パンケーキ10枚以上、トースト、ベーコン、卵料理、サラダがドンドンドーンとテーブルにあがり、ディナーもサーモン丸々一匹とか、ターキー一羽とか、家族4人ではとても消費しきれない量の料理でした。

そして、残ったものは容赦なくゴミ箱にドサドサッと放り込まれます。
ゴミも分別してません。
キャットフードの缶も、プラスチックも、紙も食料も、ぜーんぶ燃えるゴミに入れちゃう。

そして週に1度、山のように食料を買出し、冷蔵庫に入らないものはガラージにあるセカンド冷蔵庫へ。そして使われず腐った野菜たちも、ドサドサ捨てます。

時にはお友達を招いたホームパーティーなんかもします。
その度に、大量の食べ残しが出ます。

「もったいない!」という私に、「i know... but Better than not enough:)」というコメントをスマイルつきで返すBoo家族。

大量生産、大量消費、大量廃棄、飽食の時代の真っ只中に青春を捧げた年代の彼らには、それが当たり前の感覚なんですね。
もちろん、私たち日本人も大量廃棄をしています。
だけど、農耕民族ならではの国民性や宗教観、敗戦経験によって根付いた「もったいない精神」は、私たちの世代へも引き継がれています。

Booママも早々にエネルギー切れとなり、私とBooに料理を作ることはなくなったのですが、やはり大量廃棄の食べ物を見てるのが本当に切なかった。
やっと家を出れたときは、ああ、これで食べ物を大切にできる、と思ったものです。

食料を廃棄することは、もったいないだけでなく、世界全体の食糧危機を加速させ、大気を汚染させ、地球温暖化にも繋がります。
自分の子供や孫たちに、ツケが回ってくるのです。

つたない英語(当時、ほとんど話せなかった)でそういう話もしてみましたが、多分伝わってなかったのかな。彼らの生活習慣は変わることはありませんでした。
大きなお世話だったのかもしれません。

あれから10年以上を経て、やっとBC州でも、生ゴミリサイクルが始まりました。
カナダは本当に遅れてますが、人々の意識も少しずつ変わってきているを感じます。
リサイクルが生活に根付いている私たちの子供たちが大人になったときには、確実な変化が起こっているでしょう。

ゴミ減量に狂信的になる必要はないですが(過度な分別はストレスいっぱいです)、日々の小さな努力が世界を変える。そう信じて、私たち1人1人ができることをしていきたいですね。

買いすぎない
作りすぎない
冷凍保存する
規格外となった野菜や果物を買う(入手先を探すのが大変かな・・・)

フランスでは、売れ残りの食品廃棄を禁止する法律が可決されたそうです。
画期的ですね。カナダもそうなればいいのにな~。
[PR]

by myums | 2015-05-30 15:11 | 映画・海外ドラマ さ行  

17歳の肖像 -An Education-

c0057810_19215543.jpg


『17歳の肖像』を観ました。

1960年代、ロンドン郊外の中流家庭に暮らす16歳のジェニーは、オックスフォード大学進学を目指す優等生。毎日チェロの練習と勉強に奮闘しているけど、それはすべて父親の期待、というより命令に応えているだけで、ジェニー自身は、フランスの文学や音楽、パリの華やかで自由な文化が大好き。

部屋でこっそりシャンソンを聞きながら、フランスに思いを馳せるのが唯一の楽しみだなんて、自分の人生はなんて退屈なんだろう。
こんなに我慢してまで、女性が学歴を積んで何になるの? 何がやりたいのかも分からないのに。
ロンドンなんて、いつも灰色で暗くて、素敵なことなんてありやしない。あー、つまんない!


c0057810_19252972.jpg



そんな風にくすぶってたジェニーは、ある日、倍以上も年上のデイビットという男性と出会い、恋に落ちます。

ウィットでインテリジェンスに富んだ会話、初めてのナイトクラブ、絵画オークションに、美しく着飾って出かけるゴージャスなレストラン。ジェニーは、デイビットによって、怠惰で刺激的な大人の世界を教えられるのです。

観てる側としては、デイビットが怪しい男で裏があるのは明らかなんですが、決してジェニーを愚かだとは思えないんです。
だって、ティーンネイジの女の子なんて、みんなそんなもんじゃない?

年上で、未知の世界を教えてくれる彼。お金があって、一人暮らしで、車を持ってる優しい彼。

そういう恋愛がステイタスだし、きらびやかでゴージャスな世界に憧れる。自分が17歳の頃を思い出してもそう。とにかく今の生活から私を連れ出してくれる男性を探してました。
そういう考えこそ、子供の甘えだということを、後で思い知らされるんですけどね。

ジェニーも、かなりショッキングな形でデイビットに裏切られ、自分の愚かさに気付かされます。そこからの展開は、ちょっと出来過ぎでしたが、映画全体としてはすごく良かったです。


c0057810_1929483.jpg


まず、なんといっても60年代のファッショやヨーロッパ文化が素敵!
花柄や刺繍を施されたエレガントなカティングワンピースに、パールアクセサリー。トップにボリュームを持たせて緩くカールさせたヘアスタイル。
アンティーク家具や、街灯、車も、ノスタルジックな雰囲気が満載で、観ているだけで心がときめきます。
陰鬱に感じるほど暗く描写されるロンドンと、白い建築物が多く日差しに溢れパリとの対照的な描き方も、ジェニーの心象を分かりやすく表していて良かったです。
実際には、パリだって冬は暗いですけどね。

それから、「An Education」という原題が好き。
ジェニーの父親が強制的なまでに課す勉学というEducation。
デイビットから施される未知の世界へのEducation。
男に裏切られて学ぶ人生というEducation。

そのすべてを無駄にしない生き方とは?
それを模索するEducationに気付いた時、人は大人の階段をのぼり始めるのです。

そういった道徳的メッセージの中に、バージンの青臭い女子高生を大人に仕上げていくロリータ的エロティシズムを織り込んで、なかなか見応えのある、バランスの感覚の良い作品に仕上がっていました。

「人生に近道はない」

ジェニーのその言葉が印象に残ります。
[PR]

by myums | 2010-04-04 19:44 | 映画・海外ドラマ さ行  

ジュリー & ジュリア Julie and Julia

c0057810_10194055.jpg


『ジュリー&ジュリア』を観ました。

ストーリーなんかどうでもいいくらい、ジュリア役のメリル・ストリープが最高に面白かったです!ジュリアはアメリカの食卓にフランス料理を広めた料理研究家なんですけど、キャラが強烈。180cmの大柄で、後頭部から出る大きな声で笑いながら、「あんた、そんなチッコイこと気にせんといてー。大ジョブ大ジョブ」とスーパーポジティブ。

関西のおばちゃんがパリで暮らすみたいなイメージ。

ジュリア・チャイルド by メリル・ストリープ
(映画トレーラーです)




本物のジュリア・チャイルド



アクセントも動きも似てる〜。
むしろメリル・ストリープの方がおもしろい。
[PR]

by myums | 2009-11-14 02:24 | 映画・海外ドラマ さ行  

セブンティーン・アゲイン -Seventeen Again-

いやあ、見ちゃいましたよ。
ザック・エフロン主演

こんなティーンムービー見ちゃうなんて、恥ずかしいっ!!
しかも、ザック・エフロンだよ。十代の女の子にきゃあきゃあ黄色い声援浴びてるアイドル俳優だよ。ハイスクール・ミュージカルだっけ。踊って歌いながら恋する高校生。まぶしすぎて、目がつぶれちゃうよー(/ω\)

とかなんとか、けっこう馬鹿にしつつ見たものの、面白かったんですよ、これが。ははは。しかも、実は私、こういう体が入れ替わっちゃう系がすきでして。リンゼイ・ローハンがママと入れ替わっちゃう映画も見たし、館ひろしと新垣ゆいが入れ替わっちゃう『パパと娘の7日間』なんて、館ひろしがクネクネするのが可笑しくて、大好きでした。
多分、子供の頃に読んだ『おれがあいつであいつがおれで』って本が好きだったのが、今も影響してると思われ。

最終的には元に戻って大団円って結果が見えてるんだけど、17歳に戻ったマイクが離婚寸前の奥さんに言い寄ったりして、周りから見たら完全に熟女キラー。そういう外見と中身のギャップが、くだらなくって笑えるんだなー。

そんでもって、ザック・エフロンもやっぱかわいかった。
若い頃の、レオナルド・ディカプリオみたいな。
写真よりも動いてるときのほうが魅力的なのも、レオと一緒ね。

それとは対象的に、マシュ・ペリーはオヤジになったなー。あのお腹…。(ノ_-。)
元々好きな俳優さんじゃないけど、フレンズで見慣れているせいか、親近感のある人です。
[PR]

by myums | 2009-07-19 23:33 | 映画・海外ドラマ さ行  

そんな彼なら捨てちゃえば? - He just not that into you -

『そんな彼なら捨てちゃえば?』を見ました。
このタイトルから容易に察しがつくように、女性目線のラブコメ。
ノーマークどころか存在すら知らなかった映画なのですが、友人に勧められて見たところ、キャストがなかなか中途半端に豪華じゃん!

女性陣は、ジェニファー・アニストン、ジェニファー・グッドウィン、ドリュー・バリモア、スカーレット・ヨハンセン、そしてジェニファー・コネリー。

なぜ、ジェニファー・コネリーがベタなラブコメに!?
ぎすぎすとした神経質な感じが、ほかの女性キャストは一線を画した存在感でした。そういうところが個人的に好きなんだけど、やっぱりこういう女女したタイプの作品だと、浮いちゃうね。

プロデュース業でも忙しいドリュー・バリモアは、本作品でもプロデュースやってたみたいで、ちょい役でスクリーン露出が低かったのが良かったです。私は彼女の顔が好きじゃないのです。アウトローな生き方は好きだけど。

男性陣は、これまた知名度の低いコメディ系の役者さんばかり。
でも、私の好きなジャスティン・ロング出演してた。(^^)ニコ
でも、私の苦手なブラッドリー・クーパーも出演。
あと、ケビン・コノリーっていう人。よく知らない。

女性陣と比較すると、日本での知名度に格段の差がありますね。あ!忘れてた!ベン・アフレッグも出てたよ。俳優業も監督業もぱっとしないけど、ジェニファー・ガーナーと可愛い娘さんと私生活では幸せそう。
映画の中では、ジェニファー・アニストンの彼氏役。7年も同棲してるのにアンチ結婚を唱えて、いつまでも踏ん切らない男を好演。まあ、俳優業はこのくらいの規模の映画で抑えて、監督業に精を出して欲しいものです。
数をこなして一皮むけたら、いい作品を創りそうな気がする。

この映画はアンサンブル・キャストによる群像劇で、それぞれの恋愛模様を描いてますが、ジェニファー・アニストンとベン・アフレッグの恋愛が一番リアリティーがあって、時代に合ってる感じがしましたね。その他のエピソードは、薄味。ラブコメでは使い古された話ばかり。

特にジェニファー・グッドウィンの、延々続く頭悪い行動には、見てるこっちが恥ずかしくなりました。デートの後に一週間も連絡ないのに、延々電話を待ち続けるし、すぐに「運命の人」だと思い込むし、ちょっと優しくされると舞い上がって、「彼は私のことが好き」とか、あんた高校生じゃないんだから、ちょっとは自分を客観視する目を持たないと。

こういうのを Funny, Cuteと思える人に、またはSex and the Cityが好きだった人なら楽しめるんじゃないかな。
[PR]

by myums | 2009-06-08 18:00 | 映画・海外ドラマ さ行  

縞模様のパジャマの少年-The boy in the striped pajamas-

『縞模様のパジャマの少年』を見ました。

第2次世界大戦下のドイツ。
悪名高きナチス親衛隊(SS)の将校を父に持つ少年プルーノは、ある日、高い鉄条網に囲まれた<農場>を発見します。そしてフェンスの向こうにいた少年シュムールと知り合い、心を通わせていくのですが、シュムールはどこか奇妙なのです。
いつもパジャマを着て、お腹を空かせている。シュムールのお父さんはお医者さん(違ったかな)だって言うのに、どうして農家で働いてるんだろう???

<農場>がユダヤ人収容所で、ストラプのパジャマが囚人服だとは、無垢なプルーノには思いもよらないのです。

そんなプルーノでも、SS将校を父に持つだけあって、「ユダヤ人は人間ではない」という先入観を植え付けられていて、シュムールが実はユダヤ人だということが発覚すると、思わず逃げ去ってしまいます。

プルーノは考えます。シュムールとの友情のこと、使用人として仕えるユダヤ人との交流のこと。そして父親に問うのです。「父さん、ユダヤ人は、なぜユダヤ人というだけで、口をきいてはいけないの? 僕らのように自由に生活できないの?」

父はいつもと同じ言葉を繰り返します。

「あいつらは、人間ではない。汚らわしい悪魔だ」

でも、今のプルーノには納得できません。
「僕にはとても普通の人間に思える、っていうか、ユダヤ人ってむしろすごくいい人たちだよ」

プルーノのこの考え方は、子供ならではの純粋な目線というより、人間としてまともな物の見方です。国家の作り上げたルールと、その権力をかさにきた一部の大人が馬鹿なのです。

この映画で印象的だったのは、ナチス側も普通の感情を持った普通の人々だったことです。そんな普通の人々が、国家権力を盾に大量虐殺を行い、それがまるで正義であるかのごとく感じてしまうのだから、人間って恐ろしいなと思います。

プルーノのように、「なぜ?」と問い続けることはとても大切。それはどんな時代にも通じる真理だと思います。

「なぜ?」と自分に問い続けたからこそ、プルーノは自分の答えを導き出すことができました。しかし、それが、衝撃的なラストへとつながるのです…。
[PR]

by myums | 2009-06-03 21:55 | 映画・海外ドラマ さ行  

Zack and Miri Make a Porno

年末駆け込みで映画2本ご紹介。
まず1本目は、『Zack and Miri Make a Porno』

幼なじみであり親友であり、10年来のルームメイトであるザックとミリ。2人とも超ビンボーで、このくそ寒いのにガスは止まるし、電気も止まるし、とうとう水道も止まった! このままじゃ、死活問題っつうことで、ポルノ映画を作ってお金儲けましょー。

いやあ、ばかばかしくておもしろかった!
出演者のキャラが濃い!

アソコでシャボン玉(   ̄)y—oo0O0O〇○** 作れる女とか、いつでも好きなときに勃起できる男とか、差別発言に敏感すぎて「ブラック・コーヒーの日」にまで「Why dont you make "Nigga Tuesday" Huh!?」と食って掛かる黒人とか。

出演俳優も私の好きなコメディ俳優ばっかり。

主演のセス・ローゲンは日本ではまだ無名かな? 『ノックト・アップ』っていうコメディ映画で主演して以来、大人気。皮肉の利いたジョークをひょうひょうとかますんだけど、憎めないんだよねー。
以前、『Freaks And Geeks』っていうTVドラマにも出てて、その頃から、皮肉屋のいい味だしてました。このドラマは、最高に面白かったのに、出演者がどんどん売れっ子になったからか、1シーズンで終わってしまったのが、残念。
スパイダーマンの親友役だったジェームス・フランコも不良役で出てるよ!


ジャスティン・ロングも作り込み過ぎのゲイ役がマヂうけた。ジャスティンの緊張感のなさが好きだな〜。笑顔かわいいしさー。この人きっとすごく賢い人なんだろうな。

『スーパーマン リターンズ』の主演の男の子(名前分かんないや)もチョイ役で出てたけど、まだ自分を捨て切れてない! でも、顔は時代遅れのハンサムだし、純朴オーラ出てるから、ベタなキャラが好まれるコメディには向いてると思うなー。


パリス・ヒルトンのSEXビデオ流出ネタとか、Star WarsをStar Horse(HorseはSEXシンボル。日本でも馬並みって言うよね)にしちゃったりとか、ものがポルノだけに下ネタ多いけど、お正月にごろごろしながら見るにはうってつけのオバカ映画でした♪
[PR]

by myums | 2008-12-31 15:23 | 映画・海外ドラマ さ行  

ぜんぶ、フィデルのせい

c0057810_18221459.jpg


『ぜんぶ、フィデルのせい』を観ました。

おもしろかった!
何より主人公の少女アンネと弟フランソワのキャラがしっかり立っているところが最高。やぶにらみで膨れっ面のアンネは、賢くて頑固で、意見をはっきりと口に出すことのできる子。フランソワは天真爛漫、順応性に秀でた素直な優しい男の子。
この2人の対比が映画の中でも生きてました。


c0057810_18283473.jpg



映画は、70年代のフランスが舞台。欧米や日本で革命活動が盛んだった激動の時代です。ブルジョアで保守派だったアンネの両親も、共産主義に傾倒し突然極左になってしまいます。
アンネの生活は一変。


弁護士だったお父さんは仕事に行かなくなっちゃうし、「マリー・クレール」の編集者のお母さんは、女の人のチューゼツ運動(ウーマンリブ)に夢中で、広いお庭のあるオウチから、狭いアパートに引っ越して、お手伝いさんもベトナム難民とか中国人とかころころ変わるし、変な服着なきゃいけないし、大好きだった宗教の授業にも出れなくなっちゃった!
前の生活のほうがいい!


理不尽な大人たちにいっつも怒ってたアンネ。
そりゃそうだよね。おっきな家の方がいいし、おいしいご飯食べたいし、共産主義ってぜんぜん楽しそうじゃない。デモ行進にまで無理矢理参加させられて、アンネかわいそう。


c0057810_18255093.jpg



しかしそんなアンネも、民族によって信じられている神話が違うことや、保守派のおばあちゃんが言うことと、ヒゲの革命家たちが言うことの違い、団結と流されることの違い、それから本当の自由というものを学んで行きます。

「お父さんたちは前は間違っていたのね? そして今は正しいと思ってる。だけど、どうして今が正しいと分かるの?」
そんなするどい質問をぶつけて親を困らせていたアンネ。だけど今は分かるのです。お父さんもお母さんも、何が正しいのか分からないのかもしれない。ただ、自分が正しいと信じるもの。それがキョーサン主義だったのかもしれないことに。
アンネは、左派でも保守派でもなく、自分が正しいと思うことを自分の意志で選択していくのです。

これからアンネはそのクールな瞳で、この先の世界をどんな風に見て行くのだろう。
弟のフランソワの成長も気になる。
続編作ってくれたらいいのに。


もう1つ、うまいなーと思ったのは、カメラワークも脚本も、9歳のアンネの視点で動いて行くところ。両親がどのように思想を変えて行ったのかとか、外でやってる活動とかの具体的な描写は一切なくて、アンネの冷めた目を通して描かれる大人のバタバタは、滑稽なくらい。
この描き方のおかげで、見てる側に当時の社会情勢の知識がなくても、十分楽しめる作品になってると思います。
まあ、知っていればもっと味わい深くなることは間違いないですが。


インテリジェンスとエンターテイメントがうまく融合した作品です。ぜひご鑑賞あれ!
[PR]

by myums | 2008-10-16 18:45 | 映画・海外ドラマ さ行  

shameless

イギリスのコメディドラマ『Shameless』に、はまってます。
イギリスのドラマって、英語が聞き取れなくてどうしても敬遠しがちになっちゃうんだけど、あのシニカルでエキセントリックな独特の雰囲気が好きなんですよね〜。

以前は『Spaced』というイギリスコメディにはまりにはまって、今でもたまに見返すくらい大好きなんですが、『Shameless』はそれ以来の大ヒット。
『Spaced』同様、スピード感あるカメラワークとコマ割り、シュールなストーリー展開、ダークで細かい笑いが、Booと私のツボにはまりまくり!


c0057810_047980.jpg


奥さんに逃げられたアル中の男と、その6人の子供たち、そしてお隣さんの家族に、アル中男の新しい奥さんとその娘、ほかにもまだまだキャラがいて、とにかく登場人物が多いんですが、それぞれめちゃくちゃ個性的なので、見ててまったく飽きません。

ストーリーが進むごとに子供たちが成長してくのを見るのも楽しいです。

6人兄妹の長女フィオナとそのBoyfriendのスティーブは、プライベートでも結婚してるんですが、このshamelessで競演したのがきっかけだったそうです。
スティーブ役のジェームス・マカヴォイは、ナルニア王国にも出演してました。
彼が演じたのがこれ↓

c0057810_22483240.jpg


あの気弱な半バンビ人を演じてたのです!
うーん、気付かなかった。

彼は、『ラストキング・オブ・スコットランド』『ペネロピ』『つぐない』など、けっこうなヒット作映画にも出演してます。


『shameless』はマンチェスターが舞台なので、英語もマンチェスターアクセント。これがすごい。ほとんど聞き取れない!
Booも「ほとんどわからん!」と言ってたほど。まあ、Booの場合ロンドン訛りでも聞き取れないことありましたが…。

おもしろいのが、ドラマを見続けてる内に徐々に聞き取れるようになってきたこと。Booはもう完全に聞き取れてますし、私は短い会話なら分かるようになりました。
StealをNickって言ったり、AnywayをAny witch roadとかAny roadって言ったり、単語や言い回しが北米と違うのも面白いですねー。

あと、魚眼レンズ使った丸いスクリーンや、フレームが黒く縁取りされたコントラストの鮮やかスクリーンなんかは、下品でぶっ飛んだシュールなドラマの雰囲気にバッチリ。

『Shameless』のおもしろさをもっと味わうために、マンチェスターアクセントを聞き取らなくては!ドラマを見ながら特訓特訓!


shamelessを見てて気付いたのですが、出演者がみんな「fuck」はしょっちゅう使うのに、「bloody」は全然使わない。イギリスではBloodyの方がポピュラーだと思ってたんだけど、違うのかなー。それともマンチェスターだけ?
[PR]

by myums | 2008-05-01 22:58 | 映画・海外ドラマ さ行  

Things we lost in the fire

c0057810_22344273.jpg


個人的には、世間で言われるほどの大女優とは思えないハル・ベリーと、眼光で妊娠させる男ベニチオ・デル・トロ主演の、目ヂカラガチンコ対決映画『Things We Lost in The fire』を見ました。

最初は、最愛の旦那さんを突然失い、2人の子供を抱えたまま途方に暮れるオードリー(ハル)の再生物語かと思ってみてたんですが、実は、この映画にはもう1つの物語がありました。

それは、ヘロイン中毒からの再生物語Byデルトロ。

デルトロさんは、オードリーの旦那さんの親友でヘロイン中毒のジェリーという役どころ。ドラッグでロレロレ状態は、デルトロさんの得意分野です。
イスに座って意味のないことをうんたかんたらしゃべってたかと思うと、話してる途中でいきなり白目剥いて静止しちゃうし、死んじゃったのかと思ったら、ビクゥッ!と目を覚まして「Oh... I fell asleep」、だって。
そのヨレっぷり、素晴らしい!!
Booと一緒に大笑いしました。

デルトロはこういうとぼけた演技がいんだよねー。どんなにだらしなくて弱くて、ダメ人間やってても、デルトロさんが演じると必ず哀愁と少しのユーモアがある。あの小汚い風貌と鬼気迫る演技が逆に笑いを誘うって感じ。


その上、この映画、目のクローズアップを多用して、「目で語る」タイプの情緒的な映画。これまたデル・トロ得意中の得意分野!
なんてったって、眼光で妊娠させる男ですから。

この映画、デル・トロのための映画?って思ったくらい。
デル・トロさんも、楽々こなしてる感じでしたね。


c0057810_22352854.jpg



ハル・ベリーは、デル・トロさんに役者として好戦的な感じがちょっとしました。
2人の目がクローズアップするたびに、「負けないわよ~」って火花がバチバチ飛び交っているように見えたのは私だけじゃないはず。
彼女の出てる映画ってあんまり好みじゃなくて、「チョコレート」と「ソードフィッシュ」くらいしか見たことないんだけど(ソードフィッシュはおもしろかった)、意外にチビッコ女優なんだね。

ハル演じるオードリーは未亡人になって、女として母として妻としていろんな意味で男手が必要だったので、ジェリーに一緒に住んでくれと助けを求めます。だけど、自分が思ってた以上にジェリーが良い人で、子供たちもすっかりジェリーになついてしまって、オードリーは死んだ旦那のポジションがジェリーにリプレイスされてしまうような不安感に襲われてしまうんです。

でも実のところ、オードリーが不安がっていたのは、それだけじゃないと思います。

オードリーにとってジェリーは、「死んだ旦那の空虚感を埋める」程度の存在でした。
「眠れないから一緒に寝て」とジェリーに頼んだり、ジェリーがシャワーを浴びている間にバスルームに忍び込んだりっていうのは、明らかにジェリーを誘ってて、無垢な表情を装いながらも、そこににはオードリーの女としての計算が見え隠れしてます。
自分にダメ人間というレッテルを貼ってるジェリーに対して、傷の舐めあいという現実逃避を期待してるところがあったりして、オードリーは無意識にジェリーを利用してたんですね。

ところがその感情が、徐々に人間同士の絆とか愛とかってものに形を変え初めたとき、オードリーはそんな自分の心の変化を許すことができなかった。

だからオードリーはジェリーを自分たち家族から引き離す決意をするのですが、それを告げるタイミングがまたヒドイ。

公園ピクニックの最中、草原の上に敷いたシートの上で、笑い声を上げて走り回る子供たちを幸せそうに見つめるジェリー。ジェリーの横顔に浮かぶ充足された温かな微笑みを認めた後、オードリーは言うのです。

「私は、きっと、二度と幸せを感じることはないだろうなって思うの」

これって、「あなたは今、これこそ幸せだと思ってるかもしれないけど、私は全然幸せじゃないわ。あなたじゃ私を幸せにできないのよ」ってことで、こんなヒドイ言葉、このタイミングで言わないでも・・・って思っちゃった。


c0057810_22375127.jpg



オードリーってとっても計算高くて賢い女性だと思います。どのタイミングでどういう言葉を使えば効果的なのか分かってる。
未亡人という悲しみを誘う役どころであるにも関わらず、女のしたたかさを感じてしまうのは、監督が演出したかったオードリー像なのか、それともハル・ベリーの演技のせいなのか。

ハル・ベリーっていい人そうだし、いつも自信に溢れててキレイだと思うけど、そいうところが繊細で不安定な演技を必要とする映画には、逆効果なんじゃないかな。自分の気持ちが分からなくて迷い続ける雰囲気とか、叙情ってものがないんだよねー。


この映画の見所って本来は、オードリーの心の葛藤にあるはずで、私もそれを追って見たけど、結局のところは、デル・トロさんの演技に全部持ってかれたって感じかな。デル・トロさんがいなかったら、つまんない映画になってたと思います。


思いやりのあるラストはとっても良かったです。


c0057810_2239178.jpg


あ、あと、オードリーの旦那さん役は、X-Fileのモルダーさん。この人、CalifornicationってTVドラマで、モルダーの時とは打って変わった、女好きの落ち目作家ダメ人間を好演中です!モルダーのときより人間味があっていい感じです。
[PR]

by myums | 2008-01-20 23:05 | 映画・海外ドラマ さ行