人気ブログランキング | 話題のタグを見る

フランキー・ワイルドの素晴らしき世界 It's All Gone Pete Tong

フランキー・ワイルドの素晴らしき世界 It\'s All Gone Pete Tong_c0057810_1624378.jpg


クラバーなら一度は訪れてみたい場所。それはスペインのイビザ島。ヒッピーの聖地なんて呼ばれてた時代もあったけど、いまや島中にクラブやバーが立ち並び世界中のトップDJたちがプレイする、商業的な高級リゾート地と化しています。

夏には、美しい地中海のビーチと夜な夜な開催されるクレイジーなパーティーを求めて、ヨーロッパ人たちがごっそり訪れるとか。

『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』は、そんなイビザ島のカリスマDJ、フランキー・ワイルドの栄光と転落そして再生までを描いた映画。
この映画は、モキュメンタリー(ドキュメンタリー風のフィクション映画)。何も知らない人が見たら、フランキーワイルドってDJがあたかも実在したかのように見えちゃう。だってさ、原題にも名前のあがってるPete Tongや、Carl Cox、Paul van Dykもインタビュー形式で出演してて、「フランキーは絶対的な存在だよ」なんてコメントしちゃってるんだもん。



ぶっちゃけ言えば、ストーリー構成に甘さが目立ってて後に残る衝撃がある映画じゃないんだけど、キャラ設定がとにかく最高でした!特に主人公のフランキー。コーク大好きだしテニスコートでFUCKしちゃうし、奥さんとの間にできた子供が黒い肌でもまったく気にしないし(誰の子よ!?)、狂乱バカ騒ぎが大好きなアホアホ野郎なんですが、なぜか憎めない。っていうか、その屈託のないアホ加減が彼の魅力。
子供のような無邪気さととぼけた笑顔で、ドラッグまみれの生活もイビザの美しい自然も、同等に楽しんじゃうんです。



フランキー・ワイルドの素晴らしき世界 It\'s All Gone Pete Tong_c0057810_16412194.jpg



白い粉にまみれるフランキーを、「こいつバカ丸出しだぁ」なんつって笑ってるうちに、物語中盤、聴力を失うというDJにとっては致命的な悲劇がフランキーを襲います。そこからのフランキーは、本当に深刻で切なくて、カワイソウすぎで見てられないくらい。Y(>ω<、)Y


というのは嘘で、これが意外と笑える場面満載!
聴力と一緒に、仕事も家族も友人も何もかも失って自暴自棄になったフランキーが、家の中に何ヶ月も閉じこもって、髪はボーボー、ヒゲもボーボー、腐臭漂うベッドの上でコーク吸いながら廃人になってるところなんて、普通だったら悲惨な雰囲気のはずなのに、フランキーがやると、「何それ!なんかの修行!?」ってツッコミたくなっちゃう。

口の周りをコークで真っ白にしたアナグマの着ぐるみも、なんじゃこりゃー。まったくこの映画の監督さん、よくこんなキャラ思いついたね。
最初、「コークきめすぎて、幻覚みてるのかぁ」って思ったんだけど、監督のインタビュー読んだら、コークに幻覚症状はないって言ってました。あなぐまの着ぐるみはフランキーにとってドラッグの象徴なんだって。


それから、フランキーのマネージャー役の人もおいしかった!
この人、ひとつひとつの動きが妙におかしい!必死すぎ!
影の主人公と呼んであげたいです。




聴力を失ってからのフランキーの生活と、復活、そして最後の選択。それらを感動とみる人もいるかもしれないけど、私は、この映画ってコメディだと思う。めちゃ笑えたよ。
とか思ってたら、この映画の監督さんってカナダのコメディ監督さんだった!フランキーのマネジャ役の人もカナダのコメディアン!やっぱりね~。


フランキー・ワイルドの素晴らしき世界 It\'s All Gone Pete Tong_c0057810_16382811.jpg



切なく美しいイビザの大自然も、みどころ。

by myums | 2007-05-12 17:58 | 映画・海外ドラマ は行  

<< スパイダーマン3 クィーン THE QUEEN >>