アドルフの画集 MAX

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ジョン・キューザック主演の『アドルフの画集』です。


舞台は、第一次世界大戦後のドイツ、ミュンヘン。戦争の傷跡が色濃く残る荒れた町並みと、貧乏にあえぐ国民。
そんな中、裕福なユダヤ人家庭に育ったマックスは、戦争で右腕を失うものの、帰還後は画廊を開いて成功を収めています。そればかりか、美しく上品な妻と愛らしい子供がいる上、若い愛人までいたりして、人生を謳歌しています。

そんな、あるある尽くしのマックスは、ある日スケッチブックを抱えた1人の男と出会いました。小柄なその男の名は、


アドルフ・ヒトラー。


えええっ!!(゚ロ゚屮)屮
ヒトラーってヒトラーよね?!
これってヒトラーの映画だったのか!



と思わせておきながら、実のところ映画の主人公は、ジョン・キューザック演じるところの画商マックスです。マックスは金銭的苦労を知りませんが、人生を楽しむための哲学と芸術的センスを持った人です。いつも飄々としていて好き勝手やってるのに、憎めない男。
ジョン・キューザックにピッタリの役ですね。


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さて、ヒトラーの絵を見たマックスは「表面的で感じるものがない」と言いつつも、ヒトラーに潜在的な才能があるとみて「もっと自分と向き合って、感情をキャンバスにぶつけるんだ」と、アドバイスします。


思うに、ヒトラーはすごいナルシスト。「俺って実はスゴイ」って自分を過大評価してるんです。だけど、一方で、何も持っていない自分のことも分かっている。高慢と卑屈を常に行ったり来たりしてる感じがしました。

こういう人って素直に感情をキャンバスにぶつけられないんじゃないかな。かっこつけようとする余り、変なプライドが絵から滲み出ちゃうの。
果たしてヒトラーの絵は売れません。ヒトラーの生活はただでさえ貧乏なのに、ますます貧窮してきます。そんなとき、「生活を助けるから、反ユダヤ思想の演説をしてみないか」と軍から頼まれるのです。


おお!!きたきた!!
人心を惑わすことになる、ヒトラーのあの演説です。


しかし、演説シーンはいただけませんでした・・・。(-公-、)シクシク
ただ吼えてるだけなんだもん。あれじゃ扇動されないよぉ。
っていうかひく。
あ~あ、期待してた部分だったのになぁ。


ヒトラーはもともとは反ユダヤ思想など持っていなくて、生活のために演説してたんですね。彼の目指すところは、「政治とアートの融合」を造ることで、思想はそのための策。ところが、自分が説いた反ユダヤ思想に人々が賛同し始めたのです。自分の中のカリスマ性に気づいたヒトラーのナルシスト根性は、もう止まらない。このまま反ユダヤ思想を推し進めるしかありません。


というところまでは映画では描かれていないんですが、そうやって演説を繰り返すうちに、ヒトラー自身が自己暗示にかかってしまった部分があるんじゃないかなと。策士、策に溺れる。私の想像ですけどね。

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ヒトラーの話ばかりになってしまいましたが、映画としては惜しい!!って感じです。
愛されキャラなマックスを描くことによって、ヒトラーの哀れで愚かな姿を際立たせる作りは良かったし、ウェアハウスを画廊にするセンスやモダンアートも楽しかった。でも、やっぱりアドルフ・ヒトラーの役の人は力不足でした。演説がねぇ・・・。
それさえ見逃せば、叙情的でロマン溢れる映画です。終わり方も好き。ほんとに、演説シーンさえ良ければねぇ・・・。


ちなみに、マックスは架空の人物です。

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by myums | 2007-01-17 01:54 | 映画・海外ドラマ あ行  

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