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シェムリアップーカンボジアの悪夢ー

アンコールワットで有名なシェリムアップに行ってきました。
見た遺跡は3つ。
アンコールワットと、名前分からないけど赤茶色のレリーフが見事な寺院と、タ・プローム。
一番良かったのは、タ・プローム!

ガジュマロの巨大な樹木が、遺跡とドッキング。
もはや樹木が遺跡の一部というか、遺跡が自然の一部と化しています。樹木から溢れる生命力の美しさと恐ろしさに包まれて、畏怖の念を抱いた瞬間でした。

人間は自然の力には絶対に適わない。

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アンコールワットもすごかったのですが、雨降ってるし、ミッシャンは走り回るし、Booはカメラに夢中だし、ガイドさんは延々と説明しているしで、何がなんだかよく分からないうちに終わってました・・・。

まあ、ミッシャンが意外と楽しんでくれたので良し。

それにしても、こんなに見事な遺跡を破壊してしまったなんて、もったいない。それも、長年に渡る戦争と内戦、そしてポルポトによる恐怖政治のせいです。

今から約40年前、カンボジアはポルポトという超共産主義者に政権を握られました。
それから4年間に渡りポルポトは殺戮を繰り返し、総人口800万足らずの小国で殺害された国民の数は100万とも200万とも言われています。

ポルポトは、有識層の約6割を殺し、学校や寺院群などを破壊し、教育にまつわるすべてのものを焼き尽くしました。

そのため、今でも45歳以上の識字率は2割程度。

だからカンボジアでは、学校というハードはあったとしても、教師や教科書といったソフト面が慢性的に不足していて、子供たちは満足な教育が受けれられない状態です。

HIV問題、子供の人身売買問題、警察の腐敗、調べれば調べるほどカンボジアには問題が山積みです。
子供の人身売買にいたっては、幼ければ幼いほど高額で売れるんだそうです。
6歳の女の子が一日に何人もの男性とSEXをさせられたり、10歳にも満たない男の子が白人中年男性の餌食になったり。

っつか、買う人間は腐ってる。


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カンボジア旅行3日目に、ATV(4輪バギー)に乗って農村部を訪ねてきました。
運転免許もなく、スクーターにすら乗ったことのない私の後ろには、若くてかわいいカンボジア人のガイドさんがダンデム~。ラッキー。

見渡す限りに続くライスフィールドをカメラに収めようとバギーを止めると、わらわらと現れたのが、近所の子供たち。
この前日に見た、水上生活者と同様に、笑顔で手を振っています。

カンボジアの子供たちは、めちゃくちゃかわいい。
貧しいから、かわいそうだからってことじゃなく、贔屓目なしで、かわいい。

その笑顔は本物なの?と聞きたくなってしまった。
彼らがどうしたら幸せになれるのか。
彼らがどうしたら学校で教育を受けることができるのか。
私に何ができるのか。
彼らはたまたまカンボジアの農村に生まれ貧しい暮らしを送っているという運命を、不幸と感じているのか。不条理だと憤りを感じているのか。
私たちが彼らの運命を不幸だと決め付けることはできないのではないか。
そもそも幸せとはなんなのか。

てな感じに、幸せの定義にまで思考が及び、頭も心もぐっちゃぐちゃになってました。


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そこには、ミッシャンと同じくらいの子供もいました。
かたや、母のバッグにスナックをたっぷり詰め込んで、好きに食べて好きに遊べる2歳。かたや、少しでもお金や食べ物をもらおうと観光客に寄って行き笑顔を見せる2歳。

ああ、やっぱり不公平だよ。
世の中は不公平なもの。そんなこと分かっているけど、こんなのダメだよ。
子供には生きる権利があるんだよ。それを与えて守ってあげるのが大人の務めだよ。

涙が止まりませんでした。
胸に押し寄せる感情の波を抑えきれず、嗚咽をあげて泣いてしまいました。

世の不公平さに対し、なんと無力な自分。

ありったけのお菓子を子供たちに渡しました。英語なんて分かるわけないけど、「ちゃんと学校に行くんだよ」「良い大人になるんだよ」「これは日本の飴ですっぱいんだよ」と話しかけながら、1つ1つお菓子を手渡す私の横でミッシャンはご不満顔。

「ミッシャンの・・・シェアしたくないもん!」

2歳児ってほんとKY。

「このお友達は、スナックを買うお金がないんだよ。ミッシャンはたくさーーーんスナック持ってるでしょ?だからシェアしてあげようね」と説得。

半泣きになりながらも、なんとなく納得したようでした。

ミッシャンにはちょっと早すぎる社会勉強だったかもしれませんが、いまだに、「カンボディア(そこだけ英語発音)のおともだちにスナックあげたねー」と時々話してるので、記憶には残っているようです。


5日間のシェリムアップ滞在は、楽しさよりも胸が苦しくなる瞬間のほうが多かったかもしれません。
でも、知れて良かった。この目で貧困の現実を見ることができて良かった。

現地に赴いてボランティアとして活動する。なんて勇気はないけれど、信頼の置ける団体を探し、少しでもいいから募金を続ける。そのくらいなら私でもできる。

ちなみにこんなホスピタリティー学校もあります。

「貧困限定のホスピタリティー学校、サラ・バイ・レストランスクール」

私たちが宿泊したHeritage Suite Hotelの従業員は全員がこの学校の卒業生でした。みんな仕事熱心でフレンドリー。満足のいくおもてなしをしてくれます。
朝食のパンはいまいちだったけど、ディナーのステーキがとっても美味しかった!

おすすめホテルです。

by myums | 2013-10-30 23:02 | 国際結婚とシンガポール  

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